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リックソフトブログ

【プロンプトあり・POC手順つき】会議事録からJira課題を自動起票する方法|Workato×VertexAI活用

2026年03月06日

AI・DX室

AI・DX室 dx

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この記事でわかること

  • 会議の Jira課題を、議事録から AIで自動起票するワークフロー
  • 不要なチケットを作らないための課題抽出条件(発散・不満の除外)
  • 実際に使っている プロンプト全文(JSON出力)
  • PoCの手順 と評価指標

会議が終わったあと、「これ誰がやるんだっけ?」が曖昧なまま、宿題だけが増えていく----そんな場面は珍しくありません。

その結果、会議で合意した"やること"がところどころ消え、実行スピードが落ちます。

本記事では、企業の DX担当を任されているエンジニア向けに、オンライン会議の議事録(文字起こし)から生成AIで課題を抽出し、Jiraチケットを Workatoで自動作成する方法を紹介します。

ポイントは、AIに任せきりにしないこと。特に、会議が発散した場合や、個人の感想・不満が"会社の課題"として起票される事故を防ぐために、「厳格な抽出条件(プロンプト)」も公開します。

Jira起票の自動化で得られるメリット

リックソフトの AI・DX室は様々な部署から課題をヒアリングして、運用改善や社内のAI活用を推進しています。

一部の部署で、"会議で出た課題を管理するために「Jiraを使いたいが、ミーティングのたびに会議内容を整理して議題チケットを作成、管理するのを運用にうまく乗せられない」"という状態が続いていました。

「オンライン会議ツール(GoogleMeet、Zoom、Loom)を使えば、自動で MTGの文字起こし(Transcript)が実施されます。文字起こし全文を生成AIに投げて Jiraチケットの作成までできれば、以下のような効果があるのでは?」という仮説から検証を開始しました。

Jira自動起票のメリット1) 起票工数を減らし、実行への接続を速くする

会議後の「まとめ→整形→起票」は後回しになりがちです。自動起票で"最初の一歩"を軽くし、決まったことが実行へ流れやすくなります。

Jira自動起票のメリット2) "課題認識のバイアス"を薄める

会議では立場や心理的安全性により、同じ発言でも扱われ方が変わります。

特に部下が上司に対して「それは論点が曖昧です」と指摘しにくいことがあります。

AIに客観的な言葉で整理させることで、感情や力関係の影響を一段薄められます。

Jira自動起票のメリット3) ルールを磨くほど、会議参加者の視点が揃う(会議の質が上がる)

起票ルールを運用しながらブラッシュアップしていくと、参加者が「これは課題として成立するか?」という視点を持って会議に臨むようになります。
結果として、会議の発散が減り、意思決定が前に進みやすくなります。

議事録→AI→Jira起票自動化のフロー

  1. 会議を文字起こし(議事録化)する。どんなツールでもOK。
  2. 文字起こしテキストを所定の場所にコピペする

    a. Workatoでトリガーイベントをキャッチできるドキュメントツールであれば何でもOK。リックソフトでは Confluenceを利用しています。

    b. Confluenceページには「起票する Jiraのプロジェクトと Issueタイプの指定」、「チケット作成後の通知先SlackチャンネルID」も一緒に記載して、Webhookで Workatoに情報を渡しています。

  3. Workatoがトリガーを検知して処理を開始(Confluenceのページラベルを付与したことをトリガーにして Workatoで Webhookを受信している)
  4. 生成AIが議事録から課題を抽出し、Jira起票用に整形(Workatoのレシピ内で VertexAIを利用)
  5. Jiraチケットを自動作成
  6. 作成後に Slackチャンネルに通知

MTG議事録からJira起票を行うフロー図

MTG議事録から Jira起票を行うフロー図

文字起こしを貼り付けているConfluenceページ

文字起こしを貼り付けている Confluenceページ

Jira課題が作成された時のSlack通知画面

Jira課題が作成された時の Slack通知画面

最重要:会議が発散した時に「課題として起票しない」

自動起票の最大リスクは、次の2つが"会社の課題"としてチケット化されることです。

  • 会議が発散した結果の"論点メモ"(結論が出ていない、スケジュールがない、理想論)
  • 個人の感想・不満(主観)が、あたかも組織課題のように見えてしまうもの

これを防ぐには、AIに「何をやるか」だけでなく、「何をやらないか」を明文化した"ガードレール"が必要です。
そこで、実際の運用で使っているプロンプトをそのまま公開します。

【プロンプト公開】実際に使っている指示(厳格条件+起票ルール+JSON出力)

以下が、「議事録からやるべきことを課題化して起票する」エージェントのプロンプトです。

(先ほどのフロー図で赤い点線で囲ってある部分の箇所にあたります)

ポイントは 「3条件すべてを満たすものだけ」「疑わしいなら除外」 です。

【重要:課題抽出の厳格な条件】 以下の3つすべてを満たすものだけを抽出してください。1つでも疑わしい場合は除外してください。 - 具体的かつ解決可能であること - 「何が決まっていないか」「何が業務を止めているか」を客観的に説明できる。 - 【除外】:特定のツールや既存フローへの個人的な不満・愚痴、単なる「使いにくい」といった主観的な文句。 - 【除外】:自社でコントロール不能な外部要因(プラットフォーム側の仕様変更の懸念など)に対する不安。 - 部署・チーム全体の組織課題であること - 特定の個人のスキル不足ではなく、仕組み、ルール、システム設定の欠如に起因するもの。 - 名前を伏せても「組織のボトルネック」として成立する内容。 - 直近で意思決定・着手される前提があること - 「いつかやりたい」「本来こうあるべき」といった理想論や、議論が発散したまま結論が出ていないものは除外する。 - 会議内で、マネージャーや担当者が「今後対応する」と明確に判断・合意したもののみを対象とする。 【起票ルール】 - 同じタイトルの課題を重複して作成しないこと。 - 解決策やToDoは書かない。 あくまで「解決すべき課題(状態)」を記述する。 - 1課題カテゴリーを「親Jiraチケット」1件と想定し、関連する具体的な課題を「サブ課題」として構造化する。 - 親Jiraチケットは大きな課題カテゴリーとして、起票件数が少なくなるように集約する。 - 条件を満たす課題が1件もない場合は、issues配列を空にする。 【出力形式】 - 以下のJSON形式のみで出力してください。JSON以外の文章・説明・補足は一切出力しないでください。 { "issues": [ { "title": "課題のタイトル(30文字以内)", "current_problem": "現在起きている課題を客観的・具体的に説明", "business_impact": "この課題を解決することで得られる組織的メリット(生産性、収益、品質など)", "reason_for_ticket": "起票理由の①具体性、②組織課題、③直近の意思決定の3点をそれぞれ明記", "sub_issues": [ { "title": "サブ課題のタイトル", "current_problem": "サブ課題の具体的な内容", "business_impact": "解決によるメリット", "reason_for_ticket": "起票理由の3点(簡潔に)" } ] } ] }

このプロンプトが"効く"理由(運用目線)

  • 疑わしいなら除外:チケット乱造を防ぎ、Jiraの信頼を守る
  • 組織課題に限定:個人の不満が"会社の課題"に化けるのを防ぐ
  • 直近の意思決定・着手が前提:会議の発散ログを起票しない
  • 解決策を書かない:チケットが"結論"ではなく"解くべき状態"になる
  • 親+サブ課題:Jira件数を増やさず、構造化して追える

AIに任せきりにしない:人がやるべき行動

自動化で起こり得る問題は、「記載情報が足りない」「自分の意図した内容になっていない」「そもそも記載されていない」です。

AIはあくまでMTG課題管理のサポートとして利用するため、以下の運用を事前に定義しておくことが重要です。

  • AIは下書き。最終判断と責任は人が担う。
  • 起票されたチケットの人チェック。(誤字脱字修正、表現調整、重複統合、担当者や関係者の設定)
  • 足りない課題があれば、次の定例で再度議題に上げる。その場の勢いで勝手に起票されることを防ぎ、条件を満たすものだけ課題化するルールを守る。

使ってみた結果:起票はラクになる。ただし"メンテ前提"が現実的

運用上の結論は次の通りです。運用が回り始めると改善点も見えてきました!

  • チケットのメンテは必要だが、ゼロから起票するより遥かに楽
  • AIが客観的に抜け漏れなく課題を書いてくれるのは大きい
  • 出力が100%安定しないため、人のレビューは必須

展開のしかた:まずは一つの会議体でPoC

全社展開から始めるより、まずは ひとつ会議体 でPoCが安全です。

会議によっては毎回実施する必要がない場合もあります。

PoCの進め方(最短3ステップ)

Step1:対象会議を1つ決める

  • 定例で、参加者が固定されている会議が向きます

Step2:起票ルール(プロンプト)を合意する

  • 例:「発散は起票しない」「主観は除外」「スケジュールが明確なものだけ」

Step3:2〜4週間回して評価する

  • 起票時間(Before/After)
  • 起票されたチケットのうち着手につながった割合
  • 不要・重複チケット率(=ルールの精度)
  • 人のメンテ時間(現実の運用コスト)

まとめ:AIで起票を楽にし、ルールで会議を賢くする

議事録から Jiraへ自動起票することで、会議の宿題が"消えにくく"なります。
ただし成功の鍵は、AIではなく運用です。

今後はチケット作成の重複防止、既存チケットを更新する改善を実施して、社内で活用を広げていく予定です。

                    
                                                 

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本ブログのカテゴリ: AI Workato
  
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