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リックソフトブログ

Service Collection: CSM (Customer Service Management) のここがスゴイ!

2025年12月22日

南澤 華代

南澤 華代 Hanayo Minamisawa

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こんにちは。リックソフトのカスタマーサービス部の南澤です。

リックソフトでお客様向けに Atlassian 製品の技術サポートを担当して12年経ちました。

一年前に感じていた通り、お客様が私たちサポートに求める内容も変化していて、Atlassian 製品の技術的な対応に限らず、運用ルールの策定やエンドユーザーの利用拡大施策の実施など、広範囲でサポートする需要が高まっています。

お客様・リックソフト、そして AI の3者で力を合わせて、お客様業務がよりよくなるように日々邁進しています。

このような中、今年の10月に Team '25 Europe で Service Collection のリリースが発表されました。

簡単に言うと、Jira Service Management(JSM) / Assetsに、4月の Team'25 で発表された Customer Service Management (CSM)を加えて、Service Collection というパッケージで提供するというものです。

2026年2月に既存の Jira Service Management も Service Collection へ移行されるため、Jira Service Management 利用者が Customer Service Management の機能も利用できるようになります。

このブログでは、 Customer Service Management で注目すべき機能をピックアップして紹介します。

JSM vs CSM

まず、Jira Service Management(JSM) と Customer Service Management (CSM) の違い、使い分けをどうするべきかに悩むと思います。

Atlassian 社のコンセプトで、誰のためのサービスであるか区別していると認識してます。

今まで JSM でも外部顧客を対象にサポートポータルを設計できていましたが、よりお客様視点で利用しやすくしたプラットフォームが CSM となります。

JSM:社内向けのサポートおよびサービス管理

社内メンバー向けのサポートページ、システムアラート受付、インシデント・問題管理 に適している

CSM:外部のお客様向けのサポートプラットフォーム

外部の顧客向けのサポートページ、AI と Teamwork Graph を活用した即時の対応とチーム・外部ツール連携ができる

私の独断と偏見で、Customer Service Management の注目すべき機能をピックアップして紹介します。

※2025年12月15日時点の情報です。

① サポート Web サイトページ

サポート Web サイト 機能で、顧客向けのサポートランディングページをより柔軟にカスタマイズできるようになりました。

参照:サポート Web サイトについて | Customer Service Management | アトラシアン サポート

Confluence のページ作成画面と同じような UI であるため、記事を作る感覚でサポートポータルページを作ることができます。

記事を作る感覚でサポートポータルページを作ることができます

以下は作成例です。

リンク付きのカルーセルやカードレイアウトを加えたり、AI エージェント(AI チャットボット)の利用を開始できるチャットウィジットも入れたりできます。

作成例

② Customer Service Agent (AI エージェント)

Customer Service Management には、AI を活用したエージェントの Customer Service Agent が実装されています。これにより顧客はチャット上で対話形式でサポートを受けられます。

参照: カスタマー サービス エージェントについて | Customer Service Management | アトラシアン サポート

Customer Service Agent は、既にリリースされている Rovo エージェント と同じように Rovo Studio で作成できます。

以下のようにアイデンティティを設定します。ここでどういうサービスを提供するサポートエージェントなのか、口調や会話のきっかけを定義します。

アイデンティティを設定

ナレッジでは、Customer Service Agent が回答で参照するナレッジを指定できます。現時点では、Confluence (CSM と同じサイト)か、外部 Web サイトを指定できます。

参照するナレッジを指定できます

③ Customer Service Agent:ガイダンス機能

つづけて、Customer Service Agent のガイダンス機能を紹介します。

ガイダンスは、エージェントに質問・回答パターンを覚えさせて、顧客の状況にあった対応ができる機能です。

参照:カスタマー サービス エージェントが従うべきガイダンスを作成する | Customer Service Management | アトラシアン サポート

以下の二種類のガイダンスを設定できます。

応答ガイダンス

顧客のよくある質問(トリガー)・回答パターンを登録できます。

一例として、質問(トリガー)を「現在開催中のイベントを知りたい場合」、回答を「イベントページ(URL)を見てクマ」というような内容で登録しておきます。

顧客のよくある質問(トリガー)・回答パターンを登録できます。

実際にチャット上で「今何かイベントはやってますか?」といった口調で質問をしても、登録しておいた応答ガイダンスに従い、回答を返してくれます。

登録しておいた応答ガイダンスに従い、回答を返してくれます

引継ぎ(ハンドオフ)ガイダンス

エージェントでは解決できない場合に、会話を人間へエスカレーションするタイミングを定義できます。

トリガーとして直接サポートに問い合わせしたいと言われた場合で登録します。

引継ぎ(ハンドオフ)ガイダンス

引継ぎ(ハンドオフ)となった場合にどうするかは、引継ぎ 設定画面で決められます。

顧客がサポートへフォーム経由で問い合わせるか、自動でフォーム作成するか設定します。

顧客がサポートフォーム経由で問い合わせるように誘導するパターンは以下の通りです。

引継ぎ(ハンドオフ)となった場合にどうするかは、引継ぎ 設定画面で決められます。

実際にチャット上で直接サポートに問い合わせたい旨を伝えると、上記で登録した引継ぎメッセージを返却します。

上記で登録した引継ぎメッセージを返却します

④ Customer Service Agent: アクション 機能

さいごに、Customer Service Agent のアクション機能を紹介します。

アクション機能は、チャットで対話中に特定のアクション時に、登録しておいた REST API を AI エージェントに実行させ、取得した結果をユーザーへ返却できます。

2025年12月時点では、情報の取得のみが対応しています。

参照:カスタマー サービス エージェントのアクションを設定する | Customer Service Management | アトラシアン サポート

今回は、Service Collection の Assets に格納している情報を取得する例を取り上げます。

チャット上でゲームの残ポイント数を確認したいことを AI エージェントに伝えた時に、
AIエージェントからメールアドレスを聞き、入力したメールアドレスをキーに Assets 内を検索し、残ポイント数を取得して回答する という動作を アクション機能に登録します。

残ポイント数を取得して回答する という動作を アクション機能に登録します。

Assetsでは、以下のように、ユーザー(メールアドレス)ごとにゲームの残ポイント数を管理しています。

ゲームの残ポイント数を管理しています

Customer Service Agent の アクションで以下のように設定しました。

  • アクション名/詳細
    ◦ 残ポイント数を教えてほしいといったコメントが入ったら、メールアドレスを聞くことと、検索して結果を返すことを記載する
  • アクションタイプ
    ◦ Retriever (Get data)
  • リクエストURL
    ◦ Assets の REST API の Post object aql (アセット検索した結果を返す) リクエストを実行する URLを記載します
  • リクエストボディ
    Post object aql にある通り、クエリの内容を記載します。今回は 特定の ObjectType と メールアドレスで絞り込みした結果を返すように記載しています。
  • 変数
    ◦ メールアドレスはチャットの会話で取得した内容で検索を事項するため、mail という変数を定義しました。

mail という変数を定義

実際にチャットで残ポイント数を確認したい旨をコメントすると、以下のようにメールアドレスを入れるように誘導されます。

以下のようにメールアドレスを入れるように誘導されます

メールアドレスを入れると、ポイント数の回答が返却されます。

ポイント数の回答が返却されます。

おわりに

今後は、カスタマーの属性(メールアドレスやエンタイトルメントなど)を見て、回答が返却されるようになるといいなと思いました。

(今はカスタマーから属性情報を提示しないと結果を得られない認識です)

1年ぶりにブログを書いても思いますが、1年だけで Atlassian 製品の進化をすごく感じられました。

今後も Atlassian 製品の進化を楽しく見守りたいと思います。

                             

RAG (検索拡張生成)Rovoの取り扱いあります

Jira、Confluenceと相性がいいAtlassian社製のRAG「Rovo」取り扱い開始しました。

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問い合わせ管理ツールのJira Service Managementについて

自然とITILのお作法に沿ったITサービスマネジメントが実現する「Jira Service Management」についてちゃんと知りたい方向けの製品紹介ページ

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本ブログのカテゴリ: AI Jira Jira Service Management Rovo
  
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