2025年12月19日
りっくま Rickma
プランニングポーカーは、アジャイル開発(特にスクラム)における代表的な見積もり手法です。主な役割と目的は以下の通りです。
役割と目的
◦プランニングポーカーは、チーム全員の知識と視点を取り込み意見を出し合うことで認識のズレや抜け漏れを防ぎます。
公平に見積もりを行うことで、共通理解が生まれ、納得感のある見積もりが可能となります。
◦個々で見積もった後、大きな差が出た項目について議論することで、気づいていなかった複雑性やリスクが浮き彫りになり、結果として見積もりの精度が向上します。
プランニングポーカーでは、時間ではなく相対的な作業の難易度や複雑性を示す「ストーリーポイント」を使用します。
「時間」で見積もると、メンバーのスキルや経験、習熟度によって見積もりが大きく変動してしまいます。
一方でストーリーポイントは「他のタスクと比べてどれくらい大変か?」という相対的な難易度や工数を表現できるため、個人のスキルや状況によるばらつきを防ぐことができます。
また、スプリントごとのチームの生産性(ベロシティ)を計測しやすくなり、将来の計画精度が向上します。
プランニングポーカーは、アジャイルの価値観を反映した構造化されたプロセスで行われます。
参加者
プランニングポーカーの流れ
Jiraには標準でプランニングポーカー機能は搭載されていないため、Atlassian Marketplaceから適切なアドオンを導入する必要があります。
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アプリ名 |
機能 |
価格帯 |
Jira連携 |
無料トライアル |
URL |
|---|---|---|---|---|---|
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Planning Poker for Jira |
多機能性、J大規模チーム向け |
最大10ユーザーまで無料 |
◎ |
あり |
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Scrumpy Planning Poker for Jira |
シンプルさと直感的な操作性 |
最大10ユーザーまで無料 |
〇 |
あり |
アプリを選定する際は以下を考慮して比較しましょう。

①アプリをインストールする環境の右バー「アプリ」>「その他のアプリ」からインストールしたいアプリを検索します。
検索後、インストールアプリの「Try Free」をクリックします。

②インストールする環境に間違いないか確認後「Review」をクリックします。

③最後に「Start free trial」をクリックしインストール完了です。
インストール後、Jiraや Confluenceとの連携が必要の場合は設定します。

①Marketplace検索画面よりアプリを検索し、アプリ画面から「Try Free」をクリック

②インストール先環境を選択

③サイト選択後、「Review」をクリックし、方法①と同様に「Start free trial」でインストール完了です。
注意
プランニングポーカーは、単なる数値決定ではなく、複数人の知見や経験を持ち寄って見積もりを行うため、個人の思い込みやバイアスによる誤った見積もりを防ぐことができます。
Jira上でストーリーポイントが見積もりデータとして記録され、過去の見積もりとも比較しやすくなります。
これにより、データに基づいた意思決定と将来的な見積もり精度の向上やプロジェクトの振り返りにも役立ちます。
プランニングポーカーの過程では、見積もりに大きな差が出た場合、その理由をチームで議論します。
この議論を通じて、タスクの裏に隠された複雑な実装、必要な調査工数、依存関係といった情報が共有され、タスク要件に対する全員の理解を揃えることができます。
さらに、プロダクトオーナーが参加することで、要件の不明点や疑問点をその場で解消できます。これにより、認識齟齬による手戻りやミスを未然に防ぐことができます。
Jiraのプランニングポーカーアプリには、非同期で見積もりができる機能や、オンラインでのリアルタイムセッション機能が備わっています。
これにより、メンバーが異なる拠点や在宅勤務であっても、スムーズにセッションに参加でき、見積もり作業を進めることが可能です。
タイムゾーンが大きく異なるチームがいる場合、非同期ポーカー(Asynchronous Poker)機能を活用します。
メンバーの都合の良い時間にログインし、各自のポイントを投票できる機能です。
これにより、リモートワーク環境下でも、チーム全員が平等に意見を出し合い、アジャイル開発のスピードと品質を維持できます。
非同期ポーカー(Asynchronous Poker)はAtlassian Marketplaceからインストールが必要です。
ストーリーポイントは相対評価のため、チーム内で「1ポイント」が示す作業量に対する共通認識を持つことが重要です。この基準が曖昧だと、見積もりは主観的になり、精度が低下します。
そのために基準となる課題「リファレンスストーリー」を設定します。
「新しいタスクを見積もる際は ''基準となるリファレンスストーリーと比べてどれくらい難しいか?'' と比較することで、客観性を保つこと」
「基準を設定することで、メンバーは主観的な「時間」ではなく、客観的な「相対難易度」で考えるようになり、見積もりの一貫性と精度が向上」のためにも重要です。
プランニングポーカーの真価は、カード開示後の議論にあります。見積もりで最大値と最小値が大きく異なる場合は、モデレーターが積極的に議論を促すことが重要です。
モデレーターは以下を意識することでより議論を活性化させることができます。
プランニングポーカーは、チーム全員の知見を活かしてストーリーポイントによる相対見積もりを行い、認識のズレやバイアスを防ぎながら合意形成と見積もり精度の向上を実現します。
ストーリーポイントの基準をチームで明確にし、見積もりの差が大きい場合は積極的に議論を促すことで、より効果的に実践することができます。
はい。Jira以外でも無料で使えるウェブツールやコラボレーションツールなど選択肢があります。
プランニングポーカー単独機能のシンプルなツールとして「Tenkiru (テンキル)」「BA Scrum Poker」などがあげられます。
また、オンラインホワイトボードツール「Miro(ミロ)」でも、プランニングポーカー専用のテンプレートやツールが用意されています。
ホワイトボードツール上で、バックログの整理、ブレインストーミングなど)と見積もりを統合して行えます。
Jiraのプランニングポーカーで見積もったストーリーポイントは、Jiraのレポート機能などと組み合わせることで、データ分析に活用できます。
本ブログ内に記載の内容、製品画面は2025年12月時点の情報です。
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