【2026年版】Jiraとは?たくさんある Jiraの種類ガイドと選び方
2026年08月18日
マーケティング部スタッフ
堀田実希 hotta
Jiraってなあに?
仕事で抱える課題について知人に相談したところ「そんな状況だったら Jira使ってみたらいいんじゃない?」とすすめられ「じらってなんじゃ?」とキーボードをたたいたあなたへ。
Jiraは、Atlassian製品の看板ともいえるプロジェクト管理ツールです。名前の由来はゴジラからきていますがそのへんの話は今回割愛するとして、2002年の誕生以来、目的別に進化し様々な「Jira XXX」が多数あるファミリーブランドになっています。この記事では、2026年8月現在の Jira製品群を紹介します。
Jiraでできること(共通基盤)
Jiraファミリーすべてに共通する機能は以下の通りです。
- 課題管理:タスク・バグ・要望を「課題」として登録し、担当者・期日・優先度を一元管理。
- ワークフロー:課題がどのステータスを経て完了するかを定義。チームのプロセスをそのまま再現できます。
- ボード:カンバンボードで、進捗を視覚的に把握。
- 自動化(Jira Automation):「ステータスが変わったら通知」「期日超過で優先度アップ」など、繰り返し作業をルールで自動化。
- レポート・ダッシュボード:進捗・速度・課題数をグラフやウィジェットで可視化。
- カスタムフィールド:課題画面を柔軟にカスタマイズ可能。課題タイプごとに設定も可能。
昔 Jiraを使ってみたけど、苦手意識がある方へ
「Jira、使ったことあるけど、なんか使いづらいイメージあるなあ」----という方、おりませんか? 2026年の Jiraは、あの頃とはだいぶ変わっています。
ただ、少し立ち止まって考えてみてください。当時の「使いづらさ」は、本当に Jiraが難しかったからでしょうか?
Jiraは権限設定が非常に細かく、必要な権限が付与されていないと、できることが極端に制限されます。「課題を作れない」「ボードが見えない」「フィールドが編集できない」「ステータスの変更ができない」これらは機能の問題ではなく、権限設定の問題であることがほとんどです。
つまり、「Jiraが使いにくかった」のではなく、「組織の実態に適切に設定されていない Jiraを使わされていた」だけかもしれません。
自分たちのやり方に合わせられる柔軟性
Jiraは「ツールに合わせる」のではなく、「ツールを自分たちに合わせる」設計です。自分たちの業務ワークフローをそのまま Jiraで実現できるのです。
カスタムフィールド
テキスト・数値・日付・ドロップダウン・ユーザー選択など、必要な項目を課題画面(チケット画面)に自由に追加できます。Excelの列を自分で定義するイメージです。チームや課題タイプごとに表示項目を変えられるので、開発チームと営業チームで別々の入力画面を持つことも可能です。
ワークフローのカスタマイズ
Jiraのステータスは「未着手」「進行中」「完了」という3つのカテゴリに分類されます。このカテゴリ自体は固定ですが、実際のステータス名はプロジェクトに合わせて自由に作成できます。ワークフローあたり最大200のステータスを定義でき、実務上ほぼ制約を感じることはありません。
ポイントは、階層構造ではなくフラットなステータスをカテゴリに紐付ける形であること。例えば「進行中」カテゴリに「レビュー待ち」「承認待ち」「差し戻し」を並べることも自由です。ボード上の表示も、カテゴリ単位でまとめるか、ステータスごとに列を分けるかを選べます。
さらに、「誰がどのステータスに動かせるか」もコントロールできます。例えば「承認待ち→承認済み」への遷移はマネージャーのみ、「完了」への遷移はプロジェクトリーダーのみ、といった設定が可能です。承認フローや品質管理プロセスを Jira上で厳密に再現できます。
| カテゴリ | ステータス例 |
|---|---|
| 未着手 | To Do、バックログ、保留中 |
| 進行中 | 進行中、レビュー待ち、承認待ち、差し戻し |
| 完了 | 完了、却下、クローズ |
細かく設定できる権限管理
- プロジェクト単位・ロール単位・課題タイプ単位で「誰が何をできるか」を制御。
- 「閲覧はできるが編集はできない」「特定フィールドだけ編集可能」など、組織のガバナンス要件にも対応。
という具合に、大規模組織でも安心して展開できる設計です。
AIが作業を支援(2026年の Jira)
2026年の Jiraには、AI機能が標準搭載されています。(*フリー版は除く)
- 課題の自動要約:長いコメントや説明文を AIが要約し、状況把握の時間を短縮。
- 関連情報のサジェスト:新しい課題を作成する際、過去の類似チケットや関連ドキュメントを AIが提示。
- Rovo:Atlassian製の AIアシスタント。Jira・Confluenceを横断して情報を探し、要約し、課題を作成するところまでやってくれます。
社内AIエージェントにもつながります
Atlassianは Atlassian Rovo MCPサーバーを公開しています。MCP(Model Context Protocol)は AIと外部サービスをつなぐ共通プロトコルです。
Atlassian Rovo MCPサーバーを経由して、ChatGPT・Claude・Gemini・GitHub Copilot・自社構築のAIエージェントなどから Jira・Confluenceのデータを安全に読み書きできます。
例えば御社の社内AIに「今日私がさわった Jira課題を教えて」と聞くと、担当・更新した課題の一覧を引っ張ってきてくれますし、「今日私が更新した担当課題、全部完了にして」と指示すると、該当する課題を検索し、ステータスを変更してくれます。(※実際の運用では確認ステップを挟むのが現実的です)
つまり、Atlassianの AI(Rovo)を使うもよし、自社の AIサーバーとつないで独自の業務自動化を組むもよし。AIの選択肢を閉じない設計になっています。
Jira(プロジェクト管理:ソフトウェア開発 ~ ALM,PLM)
Jiraファミリーの初代ゴジラ。名称「JIRA(大文字)」になったり「Jira Software」になったりマイナーチェンジを繰り返していますが Jiraの顔といったらこいつ、ソフトウェア開発チームのための課題・プロジェクト管理ツールです。「何を・誰が・いつまでになにをするか」を管理するのに役立ちます。
<主な機能>
- スプリント計画・バックログ管理
- カンバンボード
- (アジャイル開発向き)スクラムボード
- バグ管理・リリース管理
- GitHub・Bitbucketなど Gitツールとの連携
- 各種外部コーディングエージェントとの連携。(Jiraをハブに AIエージェントの組み合わせが可能)
しかし、最近は先述の柔軟性ゆえ、Jiraは IT以外の世界にも活躍の場を広げています。
- ALM(Application Lifecycle Management)ツールとして:
要件定義 → 設計 → 開発 → テスト → リリース → 保守というアプリケーションのライフサイクル全体を管理。 - PLM(Product Lifecycle Management)ツールとの橋渡しとして:
製造業では専用PLMツール(SAP、PTC、ARASなど)で部品構成や図面を正式に管理しつつ、設計変更(ECO)の実務プロセス(影響範囲分析、レビュー、承認、修正タスクの割り当て)を Jiraのワークフローで管理するケースが増えています。既存の PLMや CAD/CAE環境を活かしたまま、「仕事の流れ」だけを Jiraで改善できる点が評価されています。
食品開発企業の新商品開発工程管理、保険会社の大規模プロジェクト統制、施設運営会社の建築・工事案件管理など、業界固有の複雑なプロセスもそのまま再現できるため、「Jira = IT開発者のもの」という時代はとっくに終わっています。
Jira Service Management(サービス運用・問い合わせ管理向け)
Jira Service Managementは、Jiraから進化した「問い合わせ対応特化型」のサービスです。
もともと Jira上で問い合わせ管理を行っていた運用から生まれました。
「Jiraは高機能だけど、問い合わせする側には複雑すぎる」
----この課題を解決するために、カスタマーポータルや SLA管理を備えた「Jira Service Desk」として Jiraから派生。その後、Opsgenie(インシデント管理・オンコールツール)や Insight(資産管理ツール、現在は名称を Assetsに変更)を統合し、2020年に現在の名前に改名。サービスデスクから ITサービス管理(ITSM)全体をカバーする製品に進化しました。
2026年2月、Jira Service Managementは Atlassianの ITSMアプリコレクション「Service Collection」の一部となり、IT資産管理ツールや Customer Service Management(組織外からの問い合わせを受ける窓口)と一緒に使うことを推奨しています。
<主な機能>
- 問い合わせポータルの提供(カスタマーはライセンス不要)
- インシデント管理・オンコール管理(旧Opsgenie機能を内包)
- 変更管理・SLA管理
- Confluenceナレッジベースとの連携による FAQ自動提案
- ITIL準拠のプラクティスに対応
「問い合わせをメールで受けていて管理が大変」「障害対応のエスカレーションが属人的」という課題を解決します。
ちなみにリックソフトのアカウントサポート(及び旧サポートプラス)は Jira Service Managementで問い合わせの管理をしています。AIのコメント要約機能があるため、課題を開くと「XX社さんからこんな問い合わせがあって、リックソフトのAさんとBさんが協力して、2営業日で解決した」という経緯・履歴をAIが要約してくれて「なるほど便利だ」と思いました。またリクエストチケットの SLAと Slackが連携されているので、関連部署のSlackチャンネルに SLAアラートが流れているのを見かけます。
Jira Product Discovery(プロダクト企画・優先順位管理向け)
プロダクトまたはサービスを作る際に「何を作るか」を決める製品。プロダクトマネージャーの相棒です。
<主な機能>
- 全社からのアイデア収集(投稿者はライセンス不要)
- 影響度×労力のマトリックスビューで優先順位を可視化
- Jiraのエピック・ストーリーとリンクし、ディスカバリーからデリバリーを一気通貫で管理
「何を作るか」の意思決定を、勘ではなくデータで行えるようになります。
Jira Align(大規模組織のポートフォリオ管理向け)
数百チームが動く大規模組織で、戦略と現場をつなぐ巨大アプリ。経営陣向け。
- OKR・ポートフォリオ・プログラム・チームの階層的な可視化
- PIプランニング(Program Increment Planning)のサポート
- チーム間の依存関係マップ
- バリューストリームの管理
「各チームが何をしているかわからない」「経営の戦略が現場に届いていない」という大規模組織の課題に対応します。
どれを選べばいい?目的別早見表
| あなたの課題 | 最適な製品 |
|---|---|
|
ソフトウェア開発のタスク・バグを管理したい 誰が何をしているのか・どの作業が止まってるのか知りたい |
Jira |
|
社内外からの問い合わせを受付・管理したい |
Jira Service Management 製品紹介ページ:https://www.ricksoft.jp/atlassian/jira-service-desk/ <参考> |
|
「次に何を作るか」を決め、ロードマップを共有したい |
Jira Product Discovery |
|
数百チームの作業を戦略・OKRに紐付けて可視化したい |
Jira Align |
ファミリー連携で実現すること
Jiraファミリーのアプリは単独でもかなり優秀ですが、連携するとさらに強くなります。
- Jira Product Discovery → Jira:「作ると決めたもの」をそのままエピック・ストーリーに変換。
- Jira → Jira Service Management:開発のバグ修正とサービスデスクの問い合わせを紐付け。
- Jira → Jira Align:各チームの進捗を経営レベルのポートフォリオに集約。
- 全製品 → Confluence:ドキュメント・手順書・ナレッジを連携し、情報を一元化。
- 全製品 → 外部AI(MCPサーバー経由):ChatGPT・Claude・自社AIから横断的に操作・自動化。
Jiraについて親近感を持ってもらえたら幸いです
2026年の Jiraは「難しいツール」ではなく、「あなたのチームのやり方に合わせられるツール」です。
もし昔「使いにくかった」記憶があるなら、それは Jiraの問題ではなく、権限や設定が適切でなかっただけではと思います。
ワークフロー・カスタムフィールド・権限管理の柔軟性で業界を問わず ALM/PLMとして使われ、AIの標準搭載で日々の作業を自動化し、MCPサーバーを通じて自社AIとも連携可能。
「昔使ってみたけどよくわからなかった」という方にこそ、2026年の Jiraに向き合ってほしいなと思います。
マーケティング部スタッフ
堀田実希 hotta
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