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Confluence ホワイトボードで始めた、レトロスペクティブの第一歩 〜チームに安心と自己改善の型を導入する〜

2025年08月21日

廣田 隆之

廣田 隆之 Takayuki Hirota

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はじめに:オンラインのレトロスペクティブへの挑戦

先日、ある開発チームと初めてのスプリントレトロスペクティブ(ふりかえり)を実施しました。このチームはリモートワーク中心の分散チームでオフショアのメンバーも含まれています。

ツールとして選んだのは、Confluence ホワイトボードです。

Confluenceの標準テンプレートをそのまま使うのではなく、チームの文化や背景に合わせた工夫を凝らすことで、実施のハードルを下げ、心理的安全性を担保しながら実りある時間とすることができました。

本ブログでは実践例をもとに、「レトロスペクティブをどうやってチームに根付かせるか」という最初の一歩をご紹介します。

Confluence 標準テンプレートをベースにカスタマイズ

Confluence には「簡単なふりかえり」というホワイトボードテンプレートが標準で用意されています。よく知られている KPT(Keep, Problem, Try)の手法を使うものです。

Confluence ホワイトボードのテンプレート

Confluence ホワイトボードのテンプレート

簡単なふりかえり実施イメージ

簡単なふりかえり実施イメージ

今回はこのホワイトボードに手を加え、『アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き』(オーム社)の5つのステップを実践できるようにカスタマイズしました。

5つのステップ

  • 場を設定する
  • データを収集する
  • アイデアを出す
  • 何をすべきか決定する
  • レトロスペクティブを終了する

という「ふりかえりの型」です。

カスタマイズ後のふりかえり実施イメージ

カスタマイズ後のふりかえり実施イメージ

✅ カスタマイズポイント

  1. チェックインの列を追加し、冒頭に軽く気持ちを共有する時間を設けることで、場の空気を和らげました
  2. 意見・感謝の列を新設し、レトロスペクティブそのものに対する意見・改善点の抽出、感謝で終わる仕組みを導入
  3. ファシリテーター向けセクションには、オフショアメンバーにも配慮し、タイムテーブルや進行手順を日英併記で明記、誰でも運用できるように。
  4. マネージャーやステークホルダー向けセクションも用意し、チームへの支援姿勢や心理的安全性確保の重要性を説明

運営ガイドのページも用意し、再現性のある仕組みに

一度きりのイベントで終わらせないために、スプリント運営ガイドの Confluence ページも用意しました。ここには、

  • 週間スケジュール例
  • スクラムイベントの進行方法、参加者、使用ツール
  • ホワイトボードの複製手順

などを明文化。誰でも同じクオリティで運営できるように配慮しました。

Tips

スクラムのイベントではタイムボックスを守るのが大切です。ホワイトボードのタイマー機能も活用しましょう

実施後の反応

実施前はチームの皆さんがどれくらい自主的に参加していただけるか少々心配でしたが、それは杞憂でした。以下のような反応がありました。

  • Problem:スプリント内でこなすタスクが多くて大変
  • Problem:コミュニケーション不足を感じる
  • Try:Jira をもっと活用したい
  • 感想:一度レトロのやり方がわかれば、あとは自分たちで回せそうです

普段は少し言いにくいことでも正直に発言できる場があることに安心感をもっていただけた様子でした。良いふりかえりができたのは、積極的に協力いただいたチームメンバーのおかげです。

おわりに:安心できる"場づくり"のススメ

レトロスペクティブは、単なるイベントではなく「チームが学び、改善する場」です。そして、その文化を根付かせるには、やり方をシンプルにし、再現可能にすることが何より大切です。

今回の試みが、これからレトロスペクティブに取り組む皆さんの一助となれば幸いです。

Confluence の活用事例として、本ブログが三部作の締めくくりとなりました。過去の記事も参考にしていただけると嬉しいです。

迷わないナレッジ共有は"この1ページ"から:Confluence 中心パターン入門

ホワイトボード一枚で学ぶ、アジャイルとスクラムの"本質" 〜社内勉強会レポート〜

                             

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