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リックソフトブログ

Software Collectionとは -- 開発チーム向けに Atlassian製品を束ね直す「AIネイティブSDLC」

2026年08月31日

濵田 翔(プロダクト&サービス開発部)

濵田 翔(プロダクト&サービス開発部) hamada.sho

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ソフトウェア開発の現場にAIが浸透するなか、Atlassianは自社の製品群を「役割ごとに最適なアプリのバンドルセット(コレクション)」へと再編しています。本記事では、その枠組みである Collectionsの全体像を押さえたうえで、開発チーム向けアプリセット「Software Collection」の構成と狙いを、2026年7月時点の最新状況(DX社の買収、CompassからDX Fabricへの移行)を含めて整理します。

この記事のポイント

  • Atlassianが提供する Software Collectionは、「ソフトウェアを作るチーム」向けにRovo Dev / DX / Pipelines / Bitbucketをバンドルしたアプリケーションパッケージです。
  • Collectionsは、肥大化した Atlassianの製品ポートフォリオを「役割ごとの束」へ再編したもので、現在5つが提供されています。
  • 発表当初(2025年10月)はCompassも含まれていましたが、DX社の買収を経て、2026年4月に Compassの後継となる DX Fabricへの移行が発表され、Compassは2026年5月13日に新規販売を終了しました。

Atlassianの Collectionsとは

背景:Atlassianの肥大化したポートフォリオと「System of Work」
Jira、Confluenceに始まり、買収と新規開発を重ねてきた結果、Atlassianの製品ラインナップは大きく広がりました。製品が増えるほど、ユーザーにとって「自分たちの用途にはどの組み合わせが最適なのか」が外から見えにくくなります。

この課題に対する Atlassianの答えが、個々の製品ではなく組織全体の「働き方」を起点に製品を束ね直す「System of Work」という考え方です。Atlassianはこの考えのもと、製品群を役割別の5つの Collectionへ再編しました。各Collectionは、対象となるチームに必要な製品と AI(Rovo)をセットにし、一つの契約・サポート単位として提供されます。Service Collectionのアプリ(Jira Service Management、Customer Service Collection、Assetsなど)を除き、アプリの単体購入も引き続き可能ですが、Collection単位での契約への移行が進んでいます。

Atlassianが提案する5つのアプリ Collection

Collection名主な構成製品対象・役割

Teamwork Collection

Jira / Confluence / Loom / Rovo

全社の共通基盤。あらゆる知的労働者のチームワークを支える

Service Collection

Jira Service Management / Customer Service Management / Assets / Rovo

社内外へのサービス提供を支えるプラットフォーム

Strategy Collection

Align(Jira Align)/ Focus / Talent / Rovo

経営戦略の立案・計画・実行を支える、経営者向けプラットフォーム

Software Collection

Rovo Dev / DX / Pipelines / Bitbucket

開発チーム向けのAIネイティブSDLC

Product Collection

Jira Product Discovery / Feedback / Rovo(+Pendoをはじめとするプロダクト分析ツールとの連携)

プロダクトの発見・優先順位付けを支える

(出典:Atlassian Collections 公式

なお、Product Collectionは2026年5月の Team '26で発表された最も新しいアプリセットで、2026年8月時点ではアーリーアクセスプログラム(EAP)の段階にあります。構成製品のひとつ「Feedback」も同じくEAPで提供されています。

図① Atlassian Collections ― 役割ごとに束ね直された5つの製品群(2026年8月時点)

  図  Atlassian Collections ― 役割ごとに束ね直された5つの製品群(2026年8月時点)

Software Collectionの位置づけ

発表から現在まで -- Compassの離脱とDXの合流
Software Collectionの構成は、発表から一度大きく動いています。経緯を時系列で押さえておきましょう。

時期出来事
2025年9月18日 Atlassianが開発者生産性プラットフォームのDX社買収を発表(約10億ドル)
2025年10月 Team '25 Europe(バルセロナ)でSoftware Collectionを発表。
当初はBitbucket / Pipelines / Compass / DX / Rovo Devの5製品構成
2025年11月10日 DX社の買収が完了
2026年4月13日 「The Next Chapter for Compass」を発表。
Compassの中核機能(カタログ・スコアカード)を後継のDX Fabricへ統合し、Compassは終売へ
2026年5月13日 Compassの新規販売を終了(既存ユーザーのサポートは2027年12月31日まで)

(出典:Atlassian + DX 発表The Next Chapter for CompassAtlassian Community:The Next Chapter for Compass


図② Software Collection の構成変遷 ― Compassの離脱とDXの合流

図  Software Collection の構成変遷 ― Compassの離脱とDXの合流


この結果、2026年7月時点の Software Collectionは、実質的に次の4製品で構成されています。

Software Collectionの構成製品

  • Bitbucket:ソースコード管理(Gitホスティング)。Jira・Confluenceと同一プラットフォーム上で動作します。
  • Pipelines:BitbucketにビルトインされたCI/CD。ビルド・テスト・デプロイを自動化します。
  • DX:開発者の生産性・開発者体験の計測基盤です。買収前から独立企業として350社を超えるエンタープライズに採用されており、Compassが担っていたソフトウェアカタログ・スコアカード機能も、DX Fabricとして統合されます。
  • Rovo Dev:開発者向けのAIエージェントです。2025年10月に CLI・Bitbucket Cloud・GitHubで一般提供が始まり、2026年2月には VS Code(およびCursorなどのVS Code互換IDE)にも対応しました。2026年4月には Jira上でコード生成・PR作成を行う「Rovo Dev in Jira」が発表され、対象サイトへ順次提供されています。加えて2026年6月からは、Jiraワークアイテムから Claude Code・Cursor・GitHub Copilotなどの外部AIコーディングエージェントへ、コンテキスト付きで作業を委任する「Open in coding tool」も利用できます。

どのようなユーザーの仕事を変えるか

Software Collectionの価値は、メンバーのチームでの役割・職種によって変わります。

チームでの役割仕事を変えるアプリどう変わるか

開発者

  • Rovo Dev
  • Pipelines

Rovo Devによる定型業務の削減と Pipelinesでの自動化が中心になります。コードを書きながら、文脈に応じて Jiraのチケットや Confluenceのドキュメントを参照できる点も、日々の摩擦を減らします。

開発マネージャー
PM

  • DX
  • Pipelines

DXでチームのボトルネックを可視化し、Pipelinesのビルド状況から進捗を把握する、という使い方になります。

CTO
VPoE

  • DX

DXが提供する DXIスコアや AIインパクトの計測が、AI投資の効果を経営判断の材料として示す手段になります。

一方で、向き不向きもはっきりしています。Software Collectionは、一定規模の開発組織がSDLC(Software Development Life Cycle:ソフトウェア開発ライフサイクル)を再整備することを想定したパッケージです。Atlassian製品をまだ利用していない組織や、小規模・非ソフトウェア中心の組織にとっては、移行コストが効果を上回りやすい点には注意が必要です。

Atlassianが描く「AIネイティブSDLC」

SDLCのプロセスを Atlassian Cloudの上にまとめ、これを AIである Rovoでつなぐ----これがAtlassianの描く構想です。

具体的には、コードの管理(Bitbucket)、ビルド・デプロイ(Pipelines)、開発者体験とソフトウェア健全性の計測(DX)までを同一基盤上で結びつけます。その上で、汎用AIの Rovoと開発者特化の Rovo Devが各フェーズの作業を支援します。たとえば「Jiraのチケットを起点にコード変更案を下書きし、PRを起票し、ビルドを起動する」といった一連の流れを、AIが補助する形が想定されています。

図③ AtlassianのAIネイティブSDLC ― 各工程を同一基盤上でつなぐ

 図 AtlassianのAIネイティブSDLC ― 各工程を同一基盤上でつなぐ

この構想で重要なのは、開発の各工程が分断されず、データとして連続している点です。
Atlassianの各製品は「Teamwork Graph」と呼ばれる共通のデータ基盤の上で、チケット・コード・ドキュメント・インシデントといった情報を相互に結びつけています。工程やデータが途切れずにつながっていれば、AIはコンテキストを読みながら支援を続けられ、組織はソフトウェア開発を一つのプロセスとして把握できます。

ただし、これらの利点は Atlassian製品の組み合わせによって発揮される設計です。裏返せば、ソフトウェア開発の中核に他社製品を据えている場合は、同じ恩恵が得られるとは限りません。

まとめ

Collectionsは、Atlassianの製品ポートフォリオを「役割ごとのアプリセット」へ再構成したものであり、そのうち Software Collectionは、Atlassian製品を SDLCの流れに沿って組み合わせたものといえます。他の Collectionとの組み合わせは利用者に委ねられますが、ソフトウェア開発を一つのプロセスとして捉える発想から、Jira / Confluence(Teamwork Collection)が起点になることが前提とされています。

リックソフトは、Atlassianの Platinum Solution Partnerとして、Bitbucketへの移行支援、PipelinesによるCI/CD整備、Compassからの移行相談など、Software Collectionの導入を支援しています。検討中の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の主な出典

 

本ブログのカテゴリ: Bitbucket Confluence Jira Rovo

濵田 翔(プロダクト&サービス開発部)

濵田 翔(プロダクト&サービス開発部) hamada.sho

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