2025年10月10日
AI・DX室 dx
企業にとってセキュリティチェックシート対応は避けられない業務ですが、その対応に追われている企業も多いのではないでしょうか?
当社は Atlassianのライセンス販売を行う中で、顧客から「セキュリティチェックシート」の記入依頼を受けることが多くあります。
このシートは、顧客が Atlassian製品を導入する前に求めるセキュリティ項目の確認リストですが、顧客ごとにフォーマットや設問数、設問の表現が全く異なります。
設問数は20項目程度の簡易的なものから、300項目を超える大規模なものまで多岐にわたります。
経済産業省 クラウドサービスレベルのチェックリスト(一部抜粋)
これまで当社では、営業アシスタントが一次回答を行い、その後プリセールス担当が精査する流れを取っていました。
しかし、一次回答だけでも平均1件あたり10時間ほどの工数を要し、営業アシスタントチームの工数逼迫が大きな課題となっていました。さらに、Atlassianの公式ドキュメントから回答を探すには専門知識が必要で、スピードや質に属人化が生じていました。
「効率化できる方法はないのか?」という現場の声から、改善の取り組みが始まりました。
セキュリティチェックシートの一次回答にかかる膨大な工数を削減し、属人化を防ぐことを目的に活用検証を進めました。
最初に Geminiを使って回答してもらう運用を検証しました。しかし、ChatGPTや Geminiなどの汎用LLMは、「それっぽい答え」を返すことがあるため、結局人の再確認が必要になります。
曖昧な回答をされてしまうと工数削減につながらないため、Gemini同様に当社のメンバー全員が利用できる「NotebookLM」の検証を開始しました。
NotebookLMのソースに AtlassianのドキュメントサイトURLを登録する方法を検証しましたが、それもいい結果は得られませんでした。
これは、「セキュリティチェックシートの設問」と同じようなテキストが、回答元となる「Atlassianのドキュメントサイト」に記載がないことが原因と考えられました。
そこで、セキュリティチェックシートの「頻出設問と回答」をマークダウン形式で整理し、NotebookLMにソースとしてアップロードしました。
このソースにより、設問をコピーして NotebookLMに投げるだけで、多くの設問で一次回答を得られるようになりました。さらに、回答には参照元ソースも提示されるため、確認もスムーズにできます。
NotebookLMは回答が不明な場合は「不明」と回答させる指示ができるため、わからない場合の曖昧な回答も減りました。
営業アシスタントはドキュメントを横断的に検索する必要がなくなり、効率的に回答を得られるようになりました。
セキュリティチェックシートのノートブック
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