リックソフトブログ

2023年03月10日

Jira Service Managementで会社のIT資産管理をやってみた<フォーム機能とアセット機能が連携可能に>

Author

永谷 寛子 Nagatani Hiroko

永谷 寛子</mt:Var>

  

こんにちは、りっくまさん。お問い合わせありがとうございます。リックソフトのヘルプデスクに在籍しております、永谷です。

JSM フォーム機能は、ポータルのリクエスト起票画面に対し自由度の高いカスタマイズができる機能です。

アセットとは、JSM 内部で保持し管理できるデータベース機能です。


この2つを連携すると、さまざまな資産管理業務が容易になります

りっくまさんのリクエスト通り、今回は、「会社のIT資産管理をJSMでやってみた」事例を紹介します。

「社内備品管理システム」を作るのに必要な要素

もし「社員に貸与する PC 等の備品管理を行うシステムを作ってくれ」と要望が入り「社内備品管理システム構築タスク」するというタスクが発生したら、どうなるか想定してみましょう。

フルスクラッチで構築しようとすると、まずデータベースサーバーが必要です。そしてWeb アプリケーションサーバーを用意して、フロントエンドにバックエンド開発...とやることがたくさん。


ところがJSM + アセットで構築するなら、ざっくり次のような3つの要素を構成するだけです。

<社内備品管理プロジェクトに必要な3要素>

  • 申請フォーム(JSM ポータル)
  • 備品追加や貸出申請を追跡するワークフロー
  • 備品管理データベース(アセット)

<想定ユースケース>

  • カスタマー(JSM用語の利用者・リクエスト発信者)である社員は、JSM ポータルからリクエストを起票して PC の貸出申請を行います。
  • エージェント(JSM用語の管理者・リクエスト管理者)である社内情シス担当者は、起票された内容をもとに承認や PC 準備作業等のワークフローを回し、備品から PC を手配します。
  • 実際にカスタマーの手に PC が渡りワークフローが完了すると、備品管理データベースであるアセット上の PC オブジェクトには、誰に貸出中なのかが登録されます。

<ここが便利> リクエスト起票画面で動的な表示切り替えができる

ポータルのリクエスト起票画面にフォームを使用すると、デフォルトのリクエストタイプ画面を使用するよりも、より自由度の高いレイアウトの画面を作成できます。

条件により動的にフィールドの表示を切り替える「セクション」機能を使えば、フィールドの数が増えて縦に長い起票画面とならず、シュッとしたカッコいい見た目を作ることもできます。

フォームの作成は UI 上でぽちぽち選択して画面に配置するだけです。

また、フィールドに「アセットオブジェクトタイプ」(アセットフィールド)を使用すると、アセットに登録されているオブジェクトを選択肢として表示できます。

例えば、備品である PC のアセットオブジェクトには、属性として OS の種類等が登録されているとします。

アセットに登録されている PC オブジェクト

複数のアセットフィールドをフォーム上に配置して連携すると、一方の選択値によって動的にもう一方の選択肢を絞り込むことができます。

画面には 「OS フィールド」と 「PC フィールド」を配置します。

カスタマーが「OS は MacOS じゃなくて Windows がいいな」というとき、OS フィールドから Windows10 を選択すると、PC フィールドの選択肢が絞り込まれ ThinkPad のみが表示されるようになります。

このアセットフィールドにはアセットのデータが紐づいています。PC が追加購入されて備品が増えたとき、フォームのフィールドに手動で選択肢を追加する必要はありません。

アセット側にデータをインポートして追加するだけでフィールドの選択肢も連動し増えます。

<ここが便利> 課題表示画面上でアセットオブジェクト詳細を確認できる

エージェントは、カスタマーがどの PC を貸出申請したのか、そのデータ詳細(属性値)を他のフィールドと同じように課題表示画面上で確認できます。

また、上記画面からアセットの当該オブジェクト詳細表示画面に遷移が可能なため、オブジェクトの変更履歴をすぐに確認できます

オブジェクト表示画面は Jira 課題ライクな UI となっており、慣れ親しんだ見やすい画面となっています。

データベースサーバーにログインし SQL でレコード抽出...のようなステップは一切必要ありません。

<ここが便利> オブジェクトの操作を自動化できる

自動化を使用して、任意のトリガーでアセットオブジェクトの作成および更新が可能です。

PC がカスタマーに貸し出され、ワークフローが完了になったとき、起票内容である「利用者」フィールド値を該当の PC オブジェクトの属性値「User」に自動で登録できます

<QRコードの生成> 実際のモノからデータへ一発アクセス

アセットはオブジェクトと実際のモノとをより簡単に関連付けられます。

実際の現場では PC ひとつひとつに 「MS-06S」 のような管理番号を貼って、テプラなどでラベリングして管理しますよね。

JSMのアセットには、登録されているオブジェクトの QR コード出力する機能があります。

これを印刷しラベリングに利用すれば、JSM はスマホのブラウザからアクセスできますので、スマホでコードを読み取るだけですぐにデータにアクセスできます。

棚卸しの際には PC に貼ってある QR コードを読み取るだけで OK。管理番号とデータをつきあわせて確認する手間が省けます。

「Jira Service Managementで会社のIT資産管理をやってみた」まとめ

今回は、JSM フォーム機能 + アセット連携をして、会社のIT資産管理をやってみました。

フォームとアセットを組み合わせることで、さまざまなリソース管理をより容易にできそうです。

また「JSMでやってみた」アイデアが見つかりましたら、お伝えしますね。


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