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ITサービスマネジメント(ITSM)とは?ITSMの役割と効率化するメリットについて解説

2023.07.31更新日:2024.04.12

ITの多様化・複雑化が進んでいく現代でITサービスを円滑に提供するためには、社内の状況・利用者のニーズにあったITマネジメント活動が必要になります。

本ページでは今後のIT社会において必要とされるITサービスマネジメントの役割やメリット、活用方法をご紹介していきます。ITサービスマネジメントは社内では利益を生み出さないコストセンターとして考えられがちですが、効率化によって社内の人的リソースを最適化できます。

現状のITサービスマネジメントの施策を効率化したい・と課題を抱えている方は、本ページの内容を実際に取り組むためのヒントとしてお役立てください。

ITサービスマネジメント(ITSM)とは?ITSMの役割と効率化するメリットについて解説

ITサービスマネジメント(ITSM)とは?

ITサービスマネジメント(IT Service Management)とは、顧客のニーズにあったサービスを安定して提供するために、組織的に管理・改善していく仕組みのことを意味します。

ITSMとも呼ばれ、ITシステムの運用における業務管理、変更管理、インシデント管理、サービスを改善するプロセスやIT資産管理など、それぞれのフェーズで効果的に活用することで、低コストでより良いサービスを実現します。また、サービス全体の分析や強化が実施しやすくなり、計画や供給、改善などに効果が発揮できます。

ITサービスマネジメントを行う際は、2024年現在においてはExcelなどで作成したテンプレート(台帳)に必要事項を記載してメールで添付する...または、申し込み用紙を印刷して物理フォルダで管理というやり方から、クラウド型のSaaSツールでの管理にシフトしつつあります。

ITサービスマネジメントの考え方

ITサービスマネジメントは、サービス提供における戦略の策定やシステムの設計、開発実装、運用保守などのプロセスを含んだ業務です。このプロセスを繰り返し継続的に行い、組織内のサービスを改善していくことで、ビジネスの発展に貢献します。

またITサービスマネジメントでは、適切なコストで可用性、応答性のより高いサービスを提供することを目的としています。そのためITサービスマネジメントシステムに包括されるシステム目線の考え方「ITシステム運用管理」とは異なり、ビジネス目線寄りの考え方であると言えるでしょう。

ITサービスマネジメントの考え方

ITサービスマネジメントの関連用語

ITサービスマネジメントについて深く理解するためには、以下の2つの用語を理解することが大切です。

ITIL(アイティル)

ITILとは「Information Technology Infrastructure Library」の略で、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)をまとめた書籍群、いわゆる教科書のようなものです。

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ITSMS

ITサービスマネジメントを実行するためのシステム(ソフトウェアやツール)をITSMS(IT Service Management System)と呼びます。ITSMSにはITサービスの品質向上を目的とした「ITSMS適合性評価制度」という国内の規格があります。

ITサービスマネジメントの役割

ITサービスマネジメントの役割

ITサービスマネジメントの役割は「ITサービスを必要なときに提供可能な状態に維持すること」です。例えば、問い合わせ窓口の一元管理が具体例として挙げられます。

実際の組織内ではサービスデスクと呼ばれる部門がその機能を有しています。サービスデスクとは、主に故障や修理対応のようなインシデントの受付や、サービスに対する新しい要求や利用方法などの問い合わせの窓口を指します。

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ITサービスマネジメントを活用する3つのメリット

ITサービスマネジメントを活用する3つのメリット

ITサービスマネジメントを活用することで顧客満足度の向上と、より効率的な組織活動を実現できます。先述したサービスデスクの構築で得られる主なメリットを見ていきましょう。

まず1つ目のメリットは、ユーザーからの問い合わせ窓口の集約です。問い合わせを一つの窓口にすることで、「どの窓口へ問い合わせしたらよいのか」というハードルが下がり、顧客はアクションを起こしやすくなります。それにより多岐に渡る情報の管理を行えるようになります。

2つ目のメリットは多岐に渡る情報の活用をすることで、より質の高いサービスを提供できるようになる点です。サービスデスクに集まった情報を分析し、ナレッジを蓄えることでスムーズな問題解決や、サービスの改善を図ることができます。この流れが結果として顧客満足度の向上につながるのです。

3つ目のメリットはコストの削減です。サービスデスクで問い合わせを一元管理し適切な部門へ割り振るというプロセスを担うことで、オペレーションコストが削減できます。

ITサービスマネジメントの具体的な活用方法

ここからはITサービスマネジメントの具体的な5つの活用方法を紹介します。実際にITサービスマネジメントを運用していくにはどのような機能が組織内に必要なのでしょうか。

1. インシデント管理

「インシデント」とは不具合や事故によってサービスが中断・停止されることを意味します。インシデント管理は、迅速なサービスの復旧を目的としている、インシデントの発生時の対応プロセスです。

インシデント管理をすることで顧客やサービスへの影響を最小限に抑えることができ、安定性の高いサービスの提供が見込めます。

ITサービスマネジメントは「サービスの安定的な提供」を目的としているため、インシデント管理はとても重要なプロセスと言えます。

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2. 問題管理

問題管理はインシデントの根本的な原因(問題)の究明を行い、回避策と既知のエラーを管理するプロセスです。問題管理を行い、回避策を定義することで恒久的なインシデントの再発防止を実現できます。また、解決が必要な問題は、変更管理で変更します。問題管理もインシデント管理と同様に、ITサービスマネジメントの観点からすると、とても重要なプロセスです。

3. 変更管理

変更管理の「変更」はOSアップデートやサービス担当者の交代といった、サービスに対するソフトや人の変更を指します。これらの変更があった際はサービスへの悪影響が発生しやすいと言われており、そこで生じるリスクを極力抑えることを目的に、体系的な変更を行うプロセスです。対応をナレッジ化し、組織全体で共有することで、迅速な対応が可能となります。

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4. IT資産管理

資産管理の「資産」とは、組織で保有しているパソコンなどのハードウェアやソフトウェア、またソフトウェア利用時のライセンス・契約書などの部分を意味します。資産管理はそれらを管理するプロセスです。

IT資産管理ができていない場合、「不要なライセンスを更新し続けていた」などと組織のコストを最適化できていない状態を放置してしまう可能性があります。ITサービスマネジメントにおける資産管理では、管理ツールを導入することで資産をより厳重かつ詳細に管理できます。

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5. サービス要求の管理

サービス要求の管理とは、サービスに対するサポートやドキュメントの提供といった顧客からの要求を実現するためのプロセスです。

具体的にはサービス利用時のパスワードのリセットや、アカウント追加などが挙げられます。要求に対して迅速に対応することで、サービスに対する顧客満足度の向上を図ることが可能です。サービス要求への対応は複雑なフローを経ることもあるため、より迅速な対応を実現するためには、適切なフローを検討する必要があります。

世界中で選ばれているITサービスマネジメントツール
「Jira Service Management(ジラ・サービスマネジメント)」

ITサービスマネジメントとはどのようなものなのか、メリットや取り組むにあたって必要なことなどを解説しましたが、皆様ご理解いただけましたでしょうか。

今後の社会でITサービスを提供していくためには、開発・運用に加えてITサービスマネジメントを行っていくことが重要となります。本ページでご紹介した内容を参考に、ぜひITサービスマネジメントツールの導入を検討してみてください。

Jira Service Management では、ITサービスマネジメントで必要となる、本ページでご紹介した5つの活用方法「インシデント管理」・「問題管理」・「変更管理」・「資産管理(アセット管理)」・「サービス要求への管理(サービスリクエスト管理)」の実現が可能です。その他「構成管理」や「ナレッジマネジメント」といった機能もあり、ITサービスマネジメントの導入を検討している企業の方にはぴったりのツールといえます。

リックソフトでは、お客様の疑問や技術的な不具合に対応する「ヘルプデスクチーム」もJira Service Managementを導入しております。

Jira Service Managementの具体的利用イメージは別途ご紹介します。

Jira Service Managementの導入、そしてITサービスマネジメントの取り組みを通して、より良いサービスの提供を目指していきましょう。

【監修】

リックソフト株式会社 プリセールス担当

阿部真紀子

Certified-Scrum-Master ITIL4-CDS badge_ITIL4-Foundation Lean_IT_Association_Foundation 資格情報
(2023年7月31日現在)
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