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DevOps入門|
アジャイル開発やCI/CDとの違い、実践の流れをわかりやすく解説

2023.12.08更新日:2024.4.19

システム開発やソフトウェア開発の場面で、DevOps(デブオプス)という言葉を聞いたことがあるものの、「何を指すかよくわからない」「アジャイル開発やCI/CDとの関係は?」このような疑問を持っている方は多いかもしれません。

DevOpsとは開発チーム(Dev)と運用チーム(Ops)の間の連携を強化するための仕組みのひとつであり、アジャイル開発やCI/CDと密接に関わり合っています。

本記事ではDevOpsの基礎知識やモデル、実践の流れなどをわかりやすく解説します。開発の効率化を模索している方は、ぜひ参考にしてください。

DevOps入門|<br>アジャイル開発やCI/CDとの違い、実践の流れをわかりやすく解説<
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DevOpsとは?DevOpsの定義は?

DevOpsとは?DevOpsの定義は?

DevOps(デブオプス)は、直訳すると開発の運用と統合です。システム・ソフトウェア開発において、開発 (Development) と運用(Operations) の境目をなくし両担当者が連携して協力していこうという考え方・仕組みを指します。取り組みの範囲は広く、単一のテクノロジや「これ」といったやり方があるわけではありません。

開発チームと運用チームが協力しながら開発を進め、両者の間での認識共有や意見の調整がより円滑になり、密度も上がります。この結果、従来よりも柔軟かつ速いペースで製品を開発・運用していくことが可能となるのがDevOpsの特徴です。

また、DevOpsの枠組みで、開発や運用の処理自動化に取り組むことで、作業の効率化や人的ミスの減少といった品質の向上も期待できます。

DevOpsの国内での浸透と成功事例 -1日に何度もデプロイをする-

DevOpsの考え方は、2009年に行われた「開発と運用の協力によって、1日10回以上デプロイできるようになる「10+ Deploys per Day)」という講演で知られるようになりました。

日本国内もDevOpsの最新事例を学べるカンファレンス “DevOps Days Tokyo” が行われており、2023年にはカカクコム社やさくらインターネット社など日本企業の事例が紹介されました。IDC Japanの調査によれば、2022年時点で国内企業の約6割弱(59.3%)がDevOpsを実践しております。

DevOpsとアジャイル開発の違い

DevOpsとアジャイル開発の違い

アジャイル開発とDevOpsはどちらもソフトウェアやシステムの開発に関するアプローチですが、そのポイントや目的は異なる面もあれば、共通している面もあります。

そもそもアジャイル開発とは、開発プロセスを柔軟かつ効果的に進めるための開発手法です。

一方で、DevOpsは開発と運用の連携を強化する仕組みのことを指し、これにより開発から運用へのスムーズな移行や連携が可能になります。

共通しているポイントは、「開発の高速化」です。アジャイル開発では開発を繰り返し柔軟に改良を重ねつつ、迅速なリリースを行うことに主眼が置かれています。DevOpsも同様に開発の高速化を目指しますが、こちらは開発と運用の一体化を重視し、両者の連携の向上を目指しています。

そのため、DevOpsを実践する際の手段として、アジャイル開発が採用されることがよくあります。つまり、アジャイル開発の原則や手法が、DevOpsの実現に貢献する役割を果たしているのです。これにより、迅速で柔軟な開発プロセスが確立され、開発と運用の協力関係がより一層強化されます。

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DevOpsとCI/CDの違い

CI/CDとDevOpsについても、よく混同することがあるためここで解説します。どちらも開発プロセスを効率的に進めるための仕組みですが、その位置付けや目的は異なります。

CI/CDは「継続的インテグレーション」と「継続的デリバリー」の略で、開発工程を自動化するメカニズムを指します。

これに対し、繰り返しになりますが、DevOpsは開発と運用の連携を強化し、円滑なプロセスを実現する全体の仕組みを指します。

どちらも開発をスムーズに進めるという目的は共通していますが、DevOpsは開発の進め方に対する考え方である一方、CI/CDは開発手法の一つです。簡単に言えば、CI/CDは開発プロセスの一部を自動化するツールセットであり、DevOpsはそれを含む開発と運用全体の協力強化を目指す考え方であるということです。

そのため、DevOpsでは、開発と運用の協力関係を強化するための手段として、CI/CDが導入されることがあります。

例えば、CIで本番環境へのデプロイの手前までの工程を自動化し、CDでデプロイも含め本番環境への適用までの一連プロセスを自動化することで、開発と運用の橋渡し部分が自動化が実現され、迅速かつスムーズな連携が可能になります。

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DevOpsを実践する流れ

DevOpsを実践する流れ

DevOpsを実践するための流れは、大まかに7つの工程に分かれています。

これらの工程を順に進めることで、開発から運用までをスムーズに繋げることが可能です。

また、各工程で適切な自動化ツールを導入することもDevOpsを推進する上では重要な要素とされてます。
その7つの工程について簡単に解説します。

1:計画

計画工程では、プロジェクトの全体的な進め方を定めつつ、開発の要件を明確に定義します。

計画工程において重要な点は、開発チームと運用チームが常に情報を共有できるような環境を整え、プロジェクト全体の透明性を確保することです。これにより、開発チームと運用チームの連携が強化されます。
この工程では、タスク管理に優れているJira Softwareのようなチケット管理ツールや、プロジェクト関係者との情報共有・コラボレーションがしやすいConfluenceといったツールを活用するのがおすすめです。

2:コーディング

コーディング工程では、開発要件に基づきプログラマがソースコードを作成します。

この工程で大切なのはバージョン管理です。一般的にシステム開発においては複数の人がソースコードを修正することが多く、特に大規模プロジェクトでは大人数が同時に作業するため、どのソースコードが最新であるかを管理することが大切になってきます。

この課題に対し、バージョン管理ツールを用いることで、プログラムのバージョンにズレが生じることを回避できたり、簡単に前のバージョンに戻したりといったことができるようになります。複数人で開発を支援し、バージョン管理を効果的に行うことのできるツールとしては、CI/CDツールの一つであるBitbucketが有名です。

3:ビルド

ビルド工程では、ソースコードを一つのファイルにまとめ、実際に動作するアプリケーションを作成します。

上記で挙げたBitbucketはCI/CDツールですので、このプロセスを自動化する機能を備えています。これを活用することで人為的ミスの減少や、作業の効率化が見込まれるため、ビルド品質を確保することができます。

4:テスト

テスト工程では、バグや不具合がないかをテスト環境で確認します。実際に製品を動かし、仕様通りの動きになっているのか、不具合がないかなどを確認するのが一般的な進め方です。

このバグや不具合などを見つけ改修する作業のことを「デバッグ」と呼びますが、Bitbucketなどのツールにはエラーログの表示など、デバッグ作業を補助する機能が備わっているため、テスト工程を効率的に進めることができます。

5:デプロイ

デプロイ工程では、アプリケーションを本番環境に配備し、ユーザーが利用できる状態にします。

この工程は、CD(継続的デリバリー)で自動化を進めることが多く、Bitbucketなどのツールを使用して、スムーズで確実なデプロイを実現します。ここまでの工程を自動化することにより、開発から運用へシステムを引き渡すまでの時間が短縮されます。

6:保守・運用

保守・運用工程では、サービス提供を継続するための管理作業が行われます。

ここではJira Service Management(ジラ・サービスマネジメント)などのリクエスト管理ツールを利用することで、トラブルシューティングや変更管理を効率的に行うことができます。

7:モニター・継続的フィードバック

モニター・継続的フィードバック工程では、ユーザーからの評価や要望を収集し、次回以降のリリースに反映します。
Jira Service Managementなどのリクエスト管理ツールを使用して、ユーザーフィードバックを継続的に取り入れる仕組みを構築することで、高品質なサービスを提供することが可能になります。

このように各工程で適切なツールを使いながら、DevOpsを実践していくことで開発と運用の連携がスムーズに進み、効率的な開発プロセスが構築できます。その結果、システムの品質や信頼性の向上や、迅速なシステム開発・運用が実現できるのです。

DevOpsを実践するメリット

ここでは、DevOpsを実践するメリットについて、解説します。

DevOpsを実践するメリットは、大きく3つあります。

メリット 内容
開発プロセスの効率化 開発と運用の協力を促進し、開発プロセスを大幅に効率化
開発・リリース速度の向上 ツールの導入により開発がシンプル化されリリース速度が向上
人為的ミスの減少 開発工程を自動化し、人為的ミスを最小限に抑える

DevOpsを推進することで、開発チームと運用チームの連携がスムーズになり、開発プロセスが大幅に効率化されます。これにより、少ないリソースで開発が進められ、余剰リソースを新たなプロジェクトに有効活用できる余地が生まれます。

また、DevOpsを実践するにあたって、多くの場合は自動化ツールを導入します。この導入するツールによって開発からリリースまでの工程がシンプルかつ効率的になり、その結果リリース速度が向上します。この速度向上によって、市場の動向や顧客の声を素早く捉え、製品に素早く取り入れることが可能となり、変化する市場に対応する力が強化されます。

さらに、ツールの導入によって開発工程を自動化するため、開発中に発生する人為的なミスを最小限に抑えることもできます。コードの入力ミスやバージョン管理のミスなどのエラーが減少し、システムの信頼性が向上します。

DevOpsを実践することで、開発と運用の連携向上のみではなく、開発工程全体の効率化・高品質化が見込めると言えるでしょう。

DevOpsの基盤構築ならAtlassianツールが便利

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DevOpsは開発と運用の連携を強化し、柔軟かつ速いペースで製品を開発・運用できる仕組みです。

DevOpsを実践することで、開発と運用の連携向上だけでなく開発工程全体の効率化・高品質化が見込めるため、今後もより多くの企業が実践を進めていくと考えられます。

この記事を読んでいるあなたの会社でも、是非DevOpsの実践を検討してみてください。

リックソフトでは、DevOpsの実践に役立つアトラシアン製品を多く扱っています。

コラボレーションツールであるConfluenceや、課題・プロジェクト管理ツールであるJira Software、ソースのバージョン管理ツールのBitbucketなど、各工程で求められるツールの導入実績も豊富です。各ツール同士の使い分けも含め、DevOps全体の実践をサポート可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

DevOpsを実践して、さらなる開発効率化を目指しましょう!

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