2023.08.31更新日:2023.10.20
工数管理の業務には「入力が手間」「見やすくしたい」「Excel(エクセル)から脱却したい」などのさまざまなお悩みがつきものです。本ページではExcelで工数管理を行っている方やプロジェクトの管理者の方へ向けて、プロジェクト進行における工数管理のスムーズな進め方と効率的に工数管理を行うための代表的なツールをご紹介します。
工数管理とは、プロジェクトを構成するタスクの作業量や時間の管理を意味します。プロジェクトや業務の進捗状況を把握し、予算とスケジュールを管理するためには欠かせないものです。遅延やボトルネックとなる問題を早期に発見し、その時々の作業量や優先順序に基づいて適切なリソース配分をしていけば、プロジェクトの効率性が向上します。
工数管理がうまくいくと、スケジュールを調整したり、プロジェクトメンバーへのタスク配分の無駄をなくして作業効率や生産性を上げたりすることが可能になるでしょう。またプロジェクトメンバーだけでは処理できないタスクが発生した際に、工数管理を適切に行っていれば、適正な価格で外注を行うことも可能になります。
このように工数管理に注力することで得られるメリットは多く、プロジェクトを管理していく上で欠かせないものといえるでしょう。
工数管理を行う上では「作業の見える化」と「進捗のチェック」をいかにスムーズに行えるかが大事です。2つのポイントについて詳しく解説します。
工数管理では最初に、「作業の洗い出し」と「作業の割り当て」の2点を行う必要があります。
作業の洗い出しは、プロジェクト全体を複数の工程へと分割して考えるのが一般的です。システム開発におけるウォーターフォールモデル(企画、開発、テストのように各工程が時系列に流れる)をイメージすると分かりやすいでしょう。
次に、各工程においてどのような作業が発生するのかを洗い出します。ここではより具体的に作業を"見える化"することで、その作業に対して「どのようなスキルを持ったメンバーが必要なのか」「どのくらい作業時間を要するのか」を算出します。
作業の洗い出しを完了した後に、作業の割り当てを行います。
このとき一人当たりの1カ月の作業時間を160時間と換算した「人月単位」で、各工程に必要な作業工数を割り当てると管理しやすいでしょう。人月単位はソフトウェア開発プロジェクトのリソース配分・予算見積もりに使用される単位です。ただし、プロジェクトの煩雑さ、技術的な要件、経験レベルなどを考慮していない単位ですので、あくまでプロジェクト開始時点での目安となる数値単位です。
プロジェクトを管理するには、割り当てた作業が計画通りに進んでいるかを日々確認しなければなりません。
例えば毎日の進捗の入力を義務化したり、定期的に情報の共有を行ったりと、管理者はプロジェクト全体の進捗をチェックしておく必要があります。
進捗のチェックを行うことで、想定外の事案が発生しプロジェクトに遅れが出てしまっても、早期に発覚すれば対応できるようになるはずです。またチームのメンバーがスキル不足で計画通り作業が進んでいない場合に、作業が比較的落ち着いているメンバーへ補助を依頼することなども可能となり、さまざまな問題に速やかに対応しやすくなるでしょう。
工数管理はExcelを使用することも多いですが、近年様々な工数管理に特化したクラウドアプリやソフトウェアが世に出ています。これらを導入するメリットを紹介します。
Excelでも工数管理を行うことは可能ですが、エクセルはあくまで表計算ソフトです。工数管理を行うための専門ツールではないため、作業者に負担がかかってしまう可能性があります。具体的には「計算に必要な関数を用意しなければならない」「使用しているパソコンによっては開くのに時間がかかる」「作業者のソフトウェアのバージョンが違う場合文字化けやズレが生じる」などの問題が発生してしまいやすいです。また作業履歴が残らないため、誰かが誤って関数を削除しても、そのまま放置されてしまいます。
その点、専用の工数管理ツールであれば計算用の関数を組む必要もなく、見やすく直感的な操作ができるため、作業者の入力の負担を減らすことが可能です。
またツールによっては作業者の負担を大幅に削減できるサービスもあります。例えば「ボタンのクリックとドラックアンドドロップだけで、作業の記録と作業時間の登録を行えるもの」「Googleカレンダーなど外部サービスと同期させることで、締切日を把握しやすくなる機能を兼ね備えたもの」などが挙げられます。
Excelでは複数のシートにさまざまな情報を入力して整理したり、複雑な関数を入力して管理を行ったりしますが、作り込むほどにどうしても見づらくなることが多いです。プロジェクトごとにファイルを分けながら管理することもあり、管理を行うだけでも時間を要してしまいます。
そこで工数管理ツールを導入すると、手間をかけず、簡単にさまざまな情報を管理しやすくなります。例えば作業ごとのタスク、タスクに関わるメンバーごとのスケジュール、ファイルやデータなどをプロジェクトごとに集約させ、そのプロジェクトにおいて必要な情報だけを一元管理することが可能です。
長期間のプロジェクトの場合、短いスパンで状況の報告をする場面も少なくないですが、Excelから集計・分析し、それをさらにレポートにまとめて報告するには多くの手間がかかります。
一方工数管理ツールの中には、報告に必要な分析を手軽に行える機能が備わっているものもあります。例えばタスクごとの売り上げや効率性の分析と、各メンバーの作業効率や生産性、プロジェクトの進行度などの集計を行い、自動でレポートを作成してくれるツールを使えば、一つずつ手作業で情報を整理する必要がなくなるでしょう。
Jira Softwareとは、プロジェクト管理者が工数管理を効率的に行える機能が多数備わっている、プロジェクト管理ツールです。
Jira Softwateでは作業の見える化を実現し、「問題を課題として作成」「ユーザーの割り当て」「作業を管理」など、工数管理に必要な一連の管理を簡単に実現できます。
また進捗のチェックはダッシュボードによる情報共有が可能で、折れ線グラフでの表示や課題の件数を2次元で解析する「2次元フィルター」など、メンバーの進捗状況をひと目で確認できる機能が充実しています。
さらには豊富なレポート機能があるので、管理者の負担を減らしつつ、生産性を向上させることも可能です。簡単な設定を行うだけで、知りたいプロジェクトのレポートを自動で作成できます。
ガントチャートで工数管理を行いたい管理者には、Jira Softwareにガントチャートの機能を追加する「WBS Gantt-Chart for Jira」がおすすめです。
WBS Gantt-Chart for JiraではJira Softwareで担当者がチケットを更新するとガントチャートへ反映されるようになり、チケットの開始日、完了日、プロジェクト全体の計画などの作業状況を一目見て把握ができるので、管理者の工数管理の負担を削減できます。
表形式で工数管理を行いたい管理者には、Jira Softwareに表形式での課題編集機能を追加する「Excel-like Issue Editor for Jira」がおすすめです。
本来Jira Softwareでは表形式での課題管理は行えないのですが、Excel-like Issue Editor for JiraはJira Software上で表での管理を可能にすることができます。Jira Softwareでチケットを更新すると課題管理表も同時に更新されるので、Excelの課題管理に近い形で工数管理が可能です。
ここまで工数管理を行うメリットと、工数管理ができるおすすめのツールをご紹介しました。プロジェクトの管理者として工数管理を行っているが、いまいちメンバーの進捗が見えず管理がうまくいっていない、プロジェクト全体の工数が把握しづらいという管理者の方は、ぜひRicksoftにご相談ください。プロジェクトに合った工数管理を実現するための解決方法をご提案します。