2023.08.31更新日:2024.01.05
マーケティングとは主に見込み顧客の獲得、育成を目的とした戦略立案と、運用のことを指します。昨今ではIT技術の進歩によって企業と消費者のコミュニケーションが日々進化を続けていることから、マーケティング業務はその重要度を増しており、さまざまな業務課題と直面しやすくなっています。本ページではマーケティング部門が直面し得る課題について解説し、業務の管理・効率化に適したツールをご紹介します。
IT技術の進歩によって消費行動の変化やチャネルの多様化が進み、マーケティングの役割は増すばかりです。これはBtoB・BtoC問わず、マーケティング担当者共通の課題です。こうした中、近年多くのマーケティング部門では4つの大きな課題に直面しやすくなっています。それぞれの課題について詳しく解説します。
2000年以前の主要なマーケティング活動は「マスマーケティング」であり、企業が不特定多数の消費者へ対して一方向に宣伝を行うことで消費の方向性を誘導していました。
具体的にはテレビCM、新聞広告、街頭広告などがその代表例です。
対して昨今の主要なマーケティング活動は、インターネットの普及とIT技術の発展により、消費者一人一人のニーズに合わせてアプローチを行う「One to Oneマーケティング」へと切り替わっています。
これにより企業には、消費者個人の好みや行動パターンに合わせたさまざまなチャネルでのマーケティング活動が求められる時代となりました。
One to Oneマーケティングでは「LINE」「instagram」などのSNSや「ECサイト」「公式アプリ」といった多くのデジタルチャネルで消費者とのコミュニケーションが求められます。さらには各チャネルで得られる貴重なデータを収集、分析することも重要な業務です。
しかし実際には担当者の負担が増えすぎて充分なリソースを確保できないことを理由に、一つのチャネルに偏った運用をしている企業や、有効なデータ収集と分析ができていないという課題を抱えている企業も多いです。
業務効率化によって担当者の負担を軽減しつつ、チャネルごとのデータ収集、分析が可能になると、結果的にROI(投資利益率)の向上につながります。そのためチャネルの多様化への対応は、重要な課題と言えるでしょう。
現代のマーケティング活動は、打った施策の効果測定と改善を繰り返すことでコストパフォーマンスの向上を図っています。効果測定と改善を正しく実施するには、IT人材によるデータの収集と分析が必要です。
その点日本は慢性的なIT人材の不足に直面しているため、各社が人材の確保に頭を悩ませている傾向にあります。チャネルが多様化している中で「それぞれの効果測定を正確に行いたいのに人材の確保が難しい」という場合は、専用のツールの導入などで、レベルの高い効果測定と改善を実現することが望ましいです。
マーケティング部門はさまざまな部門と密接な関係にあり、市場状況や顧客ニーズを把握し、それらを営業および販売戦略に適用するのが主な役割です。各部門にとってマーケティング部門との連携は欠かせないものであり、例えば生産管理部門ではマーケティング部門によって立てられた需要予測、販売戦略をもとに生産スケジュールを立て、在庫管理を行います。
部門間でスムーズな連携のための環境が構築されていない場合、売上の機会損失が発生してしまいます。他部門とのスムーズな連携を行うにはデータ共有システムの導入をすることが望ましいでしょう。
これまでさまざまな課題を紹介してきましたが、これらの課題はツールの導入によって解決をすることができます。データ収集、管理などの雑務をツールに任せることで業務の効率化を実現できれば、マーケティング担当者の方は戦略立案などコアな業務に集中することができるでしょう。ここではデジタルマーケティング業務の管理や効率化に適したツールをご紹介します。
MA(マーケティングオートメーション)ツールとはマーケティング活動に関わるさまざまな情報を可視化し、一元管理と自動化させる仕組みを実現するためのものです。BtoBであればオフラインの「展示会」「セミナー」からオンラインの「Webサイト」「SNS」など複数のチャネルで獲得した見込み顧客を育成し、新規顧客の獲得につながるようサポートします。主な機能は以下の通りです。
主な機能 | 内容 |
---|---|
リード管理 | 見込み顧客を管理する機能 (展示会、セミナー、問い合わせなど) |
スコアリング | 見込み顧客の行動やステップに点数を設定する機能 BtoBでは受注確度を、BtoCでは予算の最適化を図る上で重要な指標になる |
セグメンテーションとターゲティング | 見込み顧客の特性や行動に基づいて顧客をセグメント化し、各顧客に向けてパーソナライズされた情報が届くようにする機能 |
シナリオ作成 | 見込み顧客の育成シナリオを作成する機能 スコアリングで設定した点数を起点とし、見込み顧客の行動に合わせてアプローチを自動的に実行する |
メール配信 | 見込み顧客へのメール配信機能 セグメントに適したメールの配信が可能 (ニュースレター、プロモーション、フォローメールが含まれる) |
キャンペーン管理 | ブログ、動画、SNSなど情報の露出源から発生したリードのパフォーマンスを追跡し、関連するKPI(重要業績評価指標)を測定する機能 |
ソーシャルメディア管理 | ソーシャルメディアへの投稿・編集・予約投稿だけでなく、より多くの人に投稿がリーチするためのPDCAを回すための機能。ソーシャルメディアの投稿や露出の効果を数値化する |
SFA/CRM連動 | SFA/CRMと連動をさせて営業部門との連携を図る機能 |
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)ツールとは顧客情報や行動履歴を一元管理し、顧客と良好な関係を築く目的で使用されるものです。
購入履歴や問い合わせなど顧客とのコミュニケーションの中で得られるさまざまな情報を記録、分析することで顧客のニーズを把握し、組織全体で顧客満足度の向上につながるようサポートします。主にBtoC、BtoB問わずすべての領域で使用されています。主な機能は以下の通りです。
主な機能 | 内容 |
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顧客情報管理 | 年齢、性別、連絡先などの基本情報から購入履歴、対応履歴、来店履歴など顧客にひも付く情報を記録する機能 |
問い合わせ管理 |
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メール配信 | キャンペーンやイベントなどその目的に合わせてセグメントしたリストに対してメールの自動配信機能 |
サポートサービス | 顧客からの問い合わせや対応要望を管理する機能。チケットシステム、顧客サポートの履歴ができる |
ファイル共有 | 顧客情報にひも付く契約書やその他書類データの管理機能 |
インテグレーション | すでに導入している他のビジネスアプリケーションとの統合で顧客情報の一元管理を実現する機能 |
モバイルアクセス | スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからアクセスできる機能。BtoCで店頭に立つスタッフが接客しながらも利用できる。 |
SFA(セールスフォースオートメーション)ツールとは営業活動における商談履歴や進捗情報を一元管理し、営業活動を支援する目的で使用されるものです。受注に至るまでのプロセスと見込み情報を管理する他、営業活動を仕組み化するために必要な機能が幅広く用意されているものも多いです。主にBtoBや受注までに時間がかかる商材を利用する業態で利用されています。主な機能は以下の通りです。
主な機能 | 内容 |
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案件(リード)管理 | 見込み顧客から「受注」or「失注」に至るまでのステータス管理機能 適切なアプローチのチャンスを管理する |
行動管理 | 営業メンバーの活動状況を可視化する機能 主に商談件数や顧客対応履歴を指す |
予実管理 | 売上予測と実績の進捗管理機能 |
見積もりと提案書の作成 | ツール上でサービスや製品の見積書・提案書を作成できる |
スケジュール管理 | 営業活動に必要な情報とリンクさせたスケジュール管理機能 |
データ分析ツールとは膨大かつさまざまな形式のデータを集約し、ユーザの目的に合わせた分析、表示を実行するためのものです。このツールの多くは、データの視覚化と作業負担の軽減を目的に設計されています。
データ分析ツールはBI(ビジネスインテリジェンス)とも呼ばれており、「MA」「CRM」「SFA」などに蓄積されたデータをBIに集約させ、ビジネスの意思決定に必要となる重要な分析をサポートしてくれます。主な機能は以下の通りです。
主な機能 | 内容 |
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レポーティング | 「PDF」「Excel」「Word」「PowerPoint」などのファイル形式で出力 |
データマイニング | 「相関分析」「回帰分析」など高度な統計分析を活用 |
シミュレーション | 蓄積されたデータを元に経営/予算計画のための数値をシミュレーション |
ここまでマーケティング業務の管理・効率化に適したツールをご紹介してきました。これらの要件すべてを一つの環境で満たす「Jira Work Management」をご紹介します。
Jira Work Managementはマーケティング部門のみならず、全てのチームにおける業務活動を各チーム独自のスタイルにカスタマイズできる業務管理のためのプラットフォームです。Jira Work Managementを使用することでマーケティング部門が抱えるさまざまな課題を解決することができます。Jira Work Managementの特長は次の通りです。
営業プロセスとは、営業活動における見込み顧客の獲得から受注に至るまでの一連の工程を意味します。
Jiraでは営業プロセス管理テンプレートを用意。メールやWebからのリード情報を取り込むことで簡単に見込み顧客の管理を始められます。
ダッシュボードでは「リード情報(見込み)」「案件情報」「商談情報(ヒアリング/価格提示))」などさまざまな情報を確認できます。SFAのように見込みから受注に至るまでの進捗を管理し、部門間で共有することも可能です。
Jiraではコンテンツ作成のプロセスを管理・共有できるカンバン型の進捗テンプレートを用意しています。
コンテンツを着手前の「todo」から「ドラフト」「レビュー中」「承認済み」「公開済」と進捗ステータス順に管理できます。このワークフローステータスのカスタマイズも柔軟に設定できます。
また「レポート機能」で、どのタスク(課題)に対してどの程度時間がかかったか・誰がどの種類のタスクをどの程度担当したか等を一覧化できます。
ここまでマーケティング部門が直面しやすい4つの課題やおすすめのツールを解説しました。マーケティング業務の効率化を実現したいとお考えのマーケティング担当者や責任者の方は、ぜひRicksoftにご相談ください。