2026.09.07
ウォーターフォールからアジャイルへの移行は、市場変化や仕様変更が起きても手戻りを最小限に抑えながら軌道修正できる点が大きな魅力です。ただし、すべての開発プロジェクトにアジャイル手法を適用する必要はありません。要件が固い案件はウォーターフォール、変化が多い案件はアジャイルと使い分けるのが現実的です。両方の進め方を一つの基盤で見える化するJiraを提供するリックソフトが、ウォーターフォール開発からアジャイル開発への転換と、無理のないハイブリッド運用を解説します。
ウォーターフォールからアジャイルへ転換する最大のメリットは、世の中の変化に俊敏に対応できる点です。短い期間で計画・開発・確認を繰り返すため、顧客要望や市場変化を反映した機能を届けやすくなります。
一方で、要件が厳密に定まる大型案件や、法規格や認証が絡む開発プロジェクトでは、これまで通りウォーターフォール型の進め方が適しています。重要なのは、案件ごとに最適な手法を選ぶことです。
| 規制・品質要求 | 要件の変動度:低 | 要件の変動度:高 |
|---|---|---|
| 高 | ウォーターフォール開発 要件固定・厳格管理向き |
ハイブリッド 上流は固定し、実装で柔軟性を確保 |
| 低 | 段階的アジャイル化 一部工程から導入しやすい |
フルアジャイル候補 変化前提の開発に適合 |
アジャイルは、短いスプリントごとに開発と確認を繰り返すため、途中で仕様変更が起きても軌道修正しやすい手法です。完成直前になって大きなズレが見つかるリスクを抑えやすく、優先度の高い機能から順に価値を届けられます。結果として、手戻りを小さくしながら、変化の速い市場に対応しやすくなります。
アジャイルは万能ではありません。品質基準が厳しい基幹システム、規制対応が必要な金融・製造・公共領域、要件が最初からほぼ確定している案件では、ウォーターフォールの計画性や証跡管理が有効です。開発手法は流行で選ぶものではなく、変更の多さ、承認の重さ、求められる品質水準に応じて見極めることが大切です。
全面的なアジャイルへの転換を急ぐ必要はありません。実際には、プロジェクトの特性やチームの成熟度に合わせて、ウォーターフォールとアジャイルを併用するハイブリッド型が現実的です。
全体計画や承認を重視する部分はウォーターフォールで管理し、変化が起きやすい実装や改善はアジャイルで回すことで、統制と柔軟性を両立しやすくなります。
日本企業では、大きなマイルストーンはウォーターフォール、開発実行はアジャイルという運用が現場に馴染みやすい傾向があります。
代表的なハイブリッド手法が、要件定義や基本設計はウォーターフォールで固め、実装やテストはアジャイルで柔軟に進める形です。最初に全体像と制約条件を明確にしておくことで、関係者の認識をそろえやすくなります。開発フェーズではスプリントを回し、優先順位や仕様をステークホルダー間で調整して手戻りを抑えつつ開発を進めていきます。
すべての部門やプロダクトで同じ開発手法を採用する必要はありません。新規WebサービスやPoCはアジャイル、既存基幹システム改修や厳格な承認が必要な案件はウォーターフォールというように、社内で共存させる方が実務に合う場合があります。
重要なのは、手法を統一することではなく、組織全体で判断基準と管理の見える化をそろえることです。
アジャイルへの転換を成功させるには、一気にやり方を変えるのではなく、失敗しにくい順序で段階的に進めることが重要です。まずは考え方を学び、小さく試し、状況を見える化できるツールを整え、振り返りで自社流に調整していきます。この流れなら、現場の反発を抑えながら、アジャイルの良さだけを無理なく取り込めます。
アジャイル転換前に必要なのは、手法の変更よりも認識合わせです。
経営層、PM、開発メンバーが、アジャイルの目的やスクラムの基本を共通理解できていないと、形だけ導入して失敗しやすくなります。なぜ短いサイクルで進めるのか、なぜ振り返りを行うのかを学ぶ教育期間を設けることで、現場の納得感が高まります。
全社の基幹案件でいきなりアジャイルに移行するのは高リスクです。まずは小規模なチームや、変更頻度の高いプロダクトでパイロット導入し、成功体験を作ることが重要です。小さく始めることで、イベント運営や見積もり、役割分担の課題を早い段階で学べます。実績ができれば、社内展開の説得材料にもなります。
ハイブリッド運用では、アジャイル用ボードとウォーターフォール用スケジュールが分断されると、管理が複雑になります。そのため、カンバンやスクラムボードと、タイムラインやロードマップを同じ基盤で見渡せるツールがあると便利です。
ツールが分かれると進捗認識も分かれ、なおかつエンジニアの認知負荷を高めてしまい集中力を削いでしまいます。アジャイル転換の土台として統合管理基盤は欠かせません。
アジャイル開発は導入して終わりではありません。区切りごとに振り返りを行い、何が機能し、何が現場に合わなかったのかを整理することが重要です。
教科書通りのアジャイル手法に固執せず、承認フローやドキュメント運用を含めて自社流に調整していくことで、無理のないハイブリッド運用が定着します。継続的な改善こそ成功の鍵です。
iraはアジャイル開発に適したツールとして知られていますが、それだけではありません。スクラムボードやバックログ管理に加え、タイムラインやロードマップを活用することで、ウォーターフォール型の進捗管理やマイルストーン管理にも対応できます。つまり、手法ごとに別ツールを持つ必要がなく、プロジェクト全体を一つのプラットフォームで見える化できます。リックソフトは、単なる製品導入ではなく、お客様の文化や既存プロセスに合わせた運用設計と定着化まで伴走支援します。
Jiraはスクラムやカンバンだけでなく、複数プロジェクトを横断して管理するプラン機能や、タイムラインによる進捗把握にも強みがあります。
リックソフトが開発したJiraアプリ「WBSガントチャート for Jira」を組み合わせることで、ウォーターフォール型プロジェクトの管理力が大きく向上します。作業をWBSで階層的に分解し、ガントチャートで依存関係付きのスケジュールを可視化できるほか、ベースライン(当初計画)との差分比較、クリティカルパスの表示、複数プロジェクトをまたいだリソース負荷の見える化にも対応しています。
アジャイル向きの案件と計画重視のウォーターフォール案件を同じJira基盤で管理しながら、開発チーム・PM・マネジメントが一つの画面で状況を把握でき、意思決定のスピードを高めやすくなります。

リックソフトは、教科書通りの全面アジャイル化を押し付けません。
お客様の組織風土、承認フロー、既存のウォーターフォール運用、チームの成熟度を踏まえたうえで、現実的な移行プランを設計します。アセスメント、トレーニング、導入準備、伴走支援、定着化まで一貫して支援できるため、「ツールは入れたが運用が続かない」という失敗を防ぎやすいのが強みです。

開発手法の見直しを進めるプロジェクトマネジャーや情報システム部門が、実務でよく抱く疑問に答えます。移行の議論を進めやすくするためにも、ポイントを整理しておきましょう。
A:いいえ、アジャイルでもドキュメントは作成します。
ウォーターフォール開発との違いは、最初に完璧な仕様書をすべて作り切る前提ではないことです。必要な情報を、必要な粒度で、開発と並行して更新していく考え方に近いです。ユーザーストーリー、受け入れ条件、設計メモ、運用手順など、後工程や関係者に必要なドキュメントは欠かせません。
A:無理に切り替えを強制すると、形だけの導入になりやすく逆効果です。
まずは小さなパイロット案件で、仕様変更への追従しやすさや、手戻りの少なさを体感してもらいましょう。
成功事例を社内に作り、現場の納得を得ながら広げる方が定着しやすくなります。手法変更は制度よりも経験で理解されることが多いからです。
繰り返しますが、すべてのプロジェクトをアジャイルにする必要はありません。
重要なのは、変化の多い案件にはアジャイル、計画性が求められる案件にはウォーターフォールを選び、必要に応じて併用することです。そして、その判断と運用を支えるには、一元管理できる基盤が欠かせません。Jiraを活用した無理のない移行やハイブリッド管理をご検討中なら、ぜひリックソフトへご相談ください。

【監修】
リックソフト株式会社
辻大輔
資格情報
システム開発やソフトウェア開発の開発手法の中で、市場やユーザーのニーズに合わせた対応ができるアジャイル(Agile)が注目されています。