2023.08.31更新日:2024.03.29
ヘルプデスク業務担当者は日々、お客様からの問い合わせ対応やインシデント管理など、多くの業務を対応しています。
「パスワードを正しく入れてもログインできない」「ソフトウェアのバージョンアップをしたらカメラが反応しなくなった」etc..よくある質問や解決済みの事案などへの問い合わせ対応、入力作業や進捗確認といった繰り返し発生する業務など、内容は多岐にわたります。これらの業務は チケット管理ツール の導入によって窓口を一本化し効率化を図ることができます。
本ページではチケット管理のメリットについて解説し、問い合わせ管理に適したチケット管理ツールをご紹介します。
ヘルプデスクは、取引先や自社製品のエンドユーザーから特定の分野の問い合わせを受け付ける窓口です。ヘルプデスクは相手の「困った」をヘルプするもので、基本的に受け身で動きます。一般的な企業では情報システム部の業務のひとつに割り当てられていることが多いです。
ヘルプデスクと似た業務にサービスデスクがあります。サービスデスクの対応対象は顧客のみならず自社の社員も含まれます。
また、業務スタンスも異なります。ヘルプデスクは来た問い合わせに打ち返す受動的ものが中心ですが、サービスデスクは能動的に情報発信し、コミュニケーションをとりながら問題解決に導いていきます。
今回はヘルプデスク業務に特化し、対応業務の効率化方法をご提案します。
チケット管理とは作業や課題を「チケット」として発行・分割し、担当者へと振り分けて進捗を管理するプロジェクト管理手法です。
元々はシステム開発におけるプログラマー向け作業管理の目的で生まれましたが、昨今ではヘルプデスクやコールセンターなどさまざまな現場で使用されています。
中でも問い合わせ対応やインシデント管理など、タスクの見える化や作業の優先順位の把握が必要な業務と相性が良いです。
チケット管理における基本的な流れは以下の通りです。
このように単純明快で、作業や課題を簡単に可視化できるのが特徴です。
チケット管理を行うには専門のチケット管理ツールの導入が欠かせません。
「問い合わせの一元管理」や「タスクの見える化」などさまざまなメリットがあります。ここではいくつかのメリットについて解説します。
問い合わせ対応の業務では電話に始まり、メールや「Slack」「Teams」といったチャットツール、さらに問い合わせフォームなど、さまざまなチャネルから絶えず依頼が舞い込んできます。
チケット管理ツールを使用することで、このような異なるチャネルからの問い合わせを迷わず簡単に一元管理できます。
また問い合わせ対応の状況も「いつ」「どこで(チャネル)」「誰が」「どのような内容で」進捗しているのかをひと目で確認することが可能です。
ヘルプデスクにおいて問い合わせ対応にはさまざまな業務負担が発生します。
例えば「問い合わせ内容の入力」「タスクの振り分け」「進捗確認」など、実際に問い合わせ内容への対応を完了させるまでに多くの雑務に時間を奪われてしまいます。
さらに、ヘルプデスクのマネージャーは、月末や期末などに従業員の成果を管理します。「誰が・何件の案件を対応したか」といった見える化する必要があります。
チケット管理ツールを使用することで、これらの雑務を自動化または簡易化することが可能です。チケット管理ツールの主な機能は以下の通りです。
主な機能 | 内容 |
---|---|
テンプレート機能 | 「入力」「返信」など作業の負担を軽減させるために必要なテンプレートを用意する機能 |
リクエスト管理機能 | 「メール」「チャット」などさまざまなチャネルからのリクエストを一つのプラットフォームで管理する機能 |
ワークフロー管理機能 | ワークフローをプロジェクトに合わせたカスタマイズや一部自動化をする機能 |
FAQ機能 | 社内外から寄せられる「よくある質問」をまとめてデータベース化し、簡単に検索できるようにするための機能 |
AI機能 | ツールによって異なる。登録されているナレッジをもとに、AIがヘルプデスクのエージェントとしてリクエストに対応する機能があるものもあれば、チケットの内容を要約するものもある。 |
ダッシュボード機能 | だれが・どういった業務を・どのくらいの時間をかけて解決したか、毎月何件対応したか、などを見える可する機能 |
例えば「テンプレート機能」があるチケット管理ツールなら、問い合わせ内容の入力や返信を効率良く簡単に行えるよう補助してくれます。「FAQ機能」を搭載していれば、同じ問い合わせに何度も時間を取られないようになるなど業務負担の軽減が実現できるでしょう。
とくに昨今注目されているのはAIを使ったチケット管理ツールです。もともとAIが組み込まれていたり、追加料金でAIのエージェント(対応者)を搭載したり、ツールによっては様々な機能があります。自分たちの組織にあった機能を比較してください。
担当者やタスクの種別などセグメント検索ができるチケット管理ツールなら、チケットを参照し、目的となる過去の履歴を簡単に見つけられるようになります。
案件の引き継ぎをする場合でも、顧客情報や対応履歴などを後任担当者が時系列で見やすく確認できるので、状況把握がスムーズに行えるでしょう。
チケット管理ツールで一元管理された作業や課題は、優先順位の設定や未処理タスクのアラート機能など対応の抜け漏れ発生を防ぐように設計されています。社内・社外のいずれに対しても、ミスや遅延のないスムーズな対応を実現することで、対応の品質が担保されます。また繰り返し発生する作業の自動化や返信用テンプレートなどが搭載されているチケット管理ツールなら、対応効率を上げる機能がいくつも用意されているため顧客満足度の向上にもつながります。
問い合わせ対応によってこれまで蓄積してきた貴重なお客様の声は有効活用することができ、サービス改善のヒントとなります。
どのようなサービスに対しどのような要件での問い合わせが多いのか、どの部署からの問い合わせが多いのか、カテゴリや課題の種類で分けて検証することで、データ分析の精度を上げられます。
またインシデントの原因を分析し、再発防止策や影響を抑えるための対策を立てることも可能です。
チケット管理ツールを選ぶ上で「自動化機能」「外部ツール連携」「情報共有」の3つの機能は、作業の効率を向上させるために外せない機能です。ツールの導入を検討している場合には、自社に合った機能の確認と合わせて、次に紹介する3つの機能について確認することをおすすめします。
問い合わせ管理業務は対応完了に至るまでにさまざまな雑務が発生します。単純作業や繰り返し発生する作業は、自動化したいもの。「チケットの割り当て」「反復タスクの自動化」など、自動化できる機能が用意されているか確認をしましょう。
2023年の流行語大賞のトップテンに入った「生成AI」も注目です。システムをAIに学ばせ、チケット管理ツール上で回答を生成する機能を備えているものもあります。
業務負担の軽減を図る目的にもかかわらず、外部ツールとの連携ができずにアプリ間の行き来や二重のデータ入力が発生してしまっては本末転倒です。自社で利用する「Slack」「Teams」といったチャットツール、その他問い合わせフォームなどの外部ツールと連携ができるのか、確認しておきましょう。
ツールによっては、ある問い合わせ(チケット)の担当者がアサインされたらアサイン担当者のチャットに通知がいくようにするという「問い合わせ管理ツール」→「チャットツール」、チャットツールから問い合わせが入ったら問い合わせ管理ツールに記録される「チャットツール」→「問い合わせ管理ツール」という双方向の連携も可能です。
ヘルプデスクの業務負担が大きい理由に「同じような問い合わせが何度も来る」ということが挙げられます。
このような課題に対しては、社内Wikiやナレッジの情報共有機能を使用することで、類似の問い合わせを減らし負担を軽減することができます。問い合わせをする側が問い合わせフォームに入力する段階で「これまでにあった類似の質問」として表示させるようにすると、問い合わせ側が自己解決をし、対応する問い合わせ数削減につながります。
社内Wikiを更新した際にメールやチャットなど別のツールで更新情報のお知らせをするのは余計な工数が発生してしまうため、チケット管理ツール内に必要に応じて自動通知を行ってくれるような「アラート機能」があるとなお良いでしょう。
ここまでヘルプデスクの業務効率化を実現するためのチケット管理のメリットとツールを選ぶポイントについて見てきました。ツールを選ぶ上で必要な3つの機能を満たし、あらゆる部門のニーズに対応するのが「Jira Service Management」です。「Jira Service Management」には次のような特長があります。
あらゆる管理業務のチケット化をお考えの際はぜひ「Jira Service Management」をご検討ください。