
航空企業各社の事業内容は、運輸に加え、決済、保険、通信、物販などのライフスタイル分野や「空飛ぶクルマ(eVTOL)」といったイノベーション分野に拡大中。24時間365日止められないシステムと問い合わせ窓口が増え続けている。事業の広がりに比例して、システム同士の連動は複雑になり、障害時の影響範囲も拡大している。
生産年齢人口の減少により、空港や整備の現場で担い手不足が顕在化し、自動化・省人化の取り組みが加速している。一方で、それを支える業務システムは増え続け、IT部門や間接部門も限られた人員で運用や問い合わせ対応を担わなければならない。安全と品質の水準を保ったまま、人を増やさずに回せる仕組みづくりが急務となっている。
利用者は「移動手段」選定の際、「時間(スピード)」「費用(運賃)」だけでなく、「手続きのラクさ」も加味するようになった。顧客体験のデジタル化が先行している鉄道業界は大きなライバル。非航空事業でもすぐれたUXのサービスが先行している。航空業界も顧客のニーズを素早く取り入れ、デジタル体験を継続的に改善し続けることが求められている。
航空業界のDX投資は加速。しかし部門任せでは「部分最適」にとどまる

安全と品質を最優先とする航空会社では、現場からの報告や監査の指摘をもとにした改善活動が日々行われています。しかし、業務の進め方が部門ごとに異なり、特定の担当者の経験や力量に頼っていると、対応漏れの把握や他部門への横展開が難しくなります。
うまくいっている部門のやり方をJiraのワークフロー、テンプレート、自動化ルールで標準化し、他部門へ展開すれば、改善活動をはじめとする業務を起票から完了まで担当・期限・対応履歴とともに一元管理できます。担当者の力量に左右されず、どの部門でも同じ水準で業務を進められる体制を構築できます。
規程や業務手順書はConfluenceに集約して更新履歴とともに管理することで、「最新版はどれか」「いつ誰が更新したか」がすぐに分かります。

全国の空港や整備拠点、グループ会社や委託先など、航空会社の業務は多くの拠点と会社にまたがり、それぞれが使う業務システムや機器も膨大です。社内の問い合わせ窓口も拠点・会社・システムごとに分かれがちで、「どこに問い合わせればいいのか分からない」という状態が生まれます。
Jira Service Managementのポータルに窓口を一本化すれば、どの拠点・どの会社からの問い合わせも同じ手順で受け付け、対応状況を一元管理できます。構成管理機能Assetsで拠点ごとの端末・機器を管理すれば、問い合わせと対象の機器がひもづき、原因の特定や手配もスムーズになります。
さらに、AIアシスタントRovoがナレッジや過去の対応履歴をもとに一次回答や振り分けを担うことで、限られた人員でも窓口を支えられます。

予約・発券、搭乗手続き、マイレージ、決済など、航空会社のシステムは24時間365日止めることができません。連携するシステムが増えるほど、ひとつの障害が運航や顧客体験に与える影響も広がります。障害の主な要因のひとつはシステムの変更であるため、起きた障害への対応と同じくらい「起こさないための変更管理」が重要です。
Jira Service Managementの変更管理では、承認フローと変更カレンダーで、年末年始や大型連休などの繁忙期を避けた計画的なリリースを支えます。Assetsでシステム間の依存関係を管理しておけば、変更前に影響範囲を確認でき、障害発生時には原因の切り分けを迅速化できます。
障害発生時は、AIがアラートを分類して過去の類似対応を提示し、自動化ルールで優先度付けや関係者への連絡を実行。欠航・遅延などで問い合わせやシステム負荷が集中する場面でも、部門を超えて素早く対応できる体制をつくります。

予約アプリやWebサイトに加え、マイレージ、旅行、物販、決済など、航空会社が顧客と接するデジタルサービスは広がり続けています。移動手段にも日常のサービスにも多くの選択肢があるなかで選ばれ続けるには、利用者の声を素早く拾い、改善を重ね続けることが欠かせません。
Jira Product Discoveryで、顧客や現場から寄せられる要望をビジネスへの影響度と作業コストで評価して優先順位をつけ、Jiraの開発計画にそのままつなげられます。さらにStrategy Collectionを活用すれば、中期経営計画の目標と、グループ各社で並行して進む施策・リソースのつながりを可視化できます。どの施策がどの目標に貢献しているかを経営と現場が同じ画面で確認でき、投資判断に必要なインサイトが得られます。

航空会社のDXは、本体だけでなく、空港運営、整備、ITなど多くのグループ会社にまたがります。一部門でうまくいった取り組みをグループ全体に広げるには、ツールだけでなく、標準を定めて展開を推進する体制が欠かせません。
リックソフトは、アトラシアン製品の専門家として、グループ共通の標準づくり、推進組織(CoE)の立ち上げ、日々の運用までを伴走支援します。研修やeラーニングによる人材育成、導入後のサポートに加え、運用の一部をリックソフトに任せるBPOサービスも提供。社内の推進メンバーは、本来担うべき企画・改善に専念できます。
また、組織全体をアジャイルに変えていく必要があるという課題をお持ちの企業に対しては、コンサルティングサービス「Step-Up Agile with Jira」もご提案しています。
JALグループのIT中核企業として、グループ全体の業務システムのユーザーサポートを担うJALデジタル。システムごとに数百にも及ぶヘルプデスク窓口が分散し、ナレッジやサポート品質、人員配置が縦割りになっていた。Jira Service Managementを導入し、リックソフトの研修・eラーニング・サポートサービスを活用してITSMを内製化。約3.5万人の問い合わせを100名程度のエージェントで受ける体制を構築し、対応の迅速化、ナレッジ共有、サービス品質の向上を実現した。