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工数入力を「やらされ仕事」から 「組織の成長を加速させる価値ある活動」へ
全員が幸せになる工数管理Tips
2025.12.26
毎日または毎月・毎週の工数入力、みなさんはどんな気持ちで取り組んでいますか?
「正直、面倒だな」「これって本当に意味あるの?」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、工数入力にはチームやプロジェクトをより良くするため、また自分が所属している組織が利益を得るために大切な役割があります。
今回は、そんな工数入力の「本当の意味」や「活用の仕方」について、数々のエンタープライズ企業や製造業でJiraを使った工数管理を支援してきた営業部ソリューションアーキテクト課メンバーのtipsをお届けします。
工数データの生かしドコロ|こんな風にデータは役立つ
工数データってなににつかうの?ーーチームメンバーにとって嬉しいこと
チームメンバーにとって、記録した工数は自身の働き方を客観的に振り返り、より良くしていくための貴重なデータとなります。
- 貢献度の可視化:自分が「どの作業に」「どれだけ時間を使ったか」を正確に示すことができます。作業数・時間といった数字を根拠に、自身の頑張りや貢献度を客観的なデータで示すことができ、正当な評価に繋がりやすくなります。
- 業務負荷の適切な主張の根拠に:高すぎる負荷や、特定のタスクに想定以上の時間がかかっている実態をデータで示せるため、健全な働き方のための相談がしやすくなります。
- 見積もり精度の向上:自分の作業時間を記録し続けることで、「この種のタスクにはこれくらい時間がかかる」という感覚が磨かれます。これにより、将来のタスクに対する見積もりの精度が上がり、無理のない計画を立てられるようになります。
- 成長の実感と課題の発見:過去の同じようなタスクと比較して、作業時間が短縮されていれば自身の成長を実感できます。逆に、時間がかかっている部分を特定し、スキルアップや効率化のための課題発見にも繋がります。
チームリーダーにとって嬉しいこと
チームリーダーにとっては、工数データはプロジェクトを円滑に進め、チームを成功に導くための羅針盤を手に入れることと同じです。
- 正確な進捗状況の把握:チーム全体の進捗がリアルタイムで正確に把握できるため、「順調なのか」「遅れているのか」を迅速かつ客観的に判断できます。これにより、問題の早期発見と対応が可能になります。
- 適切な負荷分散とサポート:メンバーごとの作業負荷が可視化されるため、「誰に負荷が偏っているか」「誰が手助けを必要としているか」が一目瞭然になります。的確なタスクの再配分やサポートを行うことで、チームの燃え尽きを防ぎます。
- ボトルネックの特定:「計画よりも大幅に時間がかかっているタスク」や「多くのメンバーが時間を費やしている工程」を特定できます。これがプロジェクトのボトルネックであり、改善の重要なヒントになります。
- 根拠のある報告と交渉:マネージャーや顧客に対して、データに基づいた説得力のある進捗報告ができます。また、仕様変更や追加要件に伴う工数増加を具体的に示し、納期やリソースの再交渉を有利に進めることができます。
マネージャーにとって嬉しいこと
マネージャーにとっては、事業の健全性を測り、未来の戦略を立てるための経営データそのものになります。
- プロジェクトの採算性の可視化:各プロジェクトにどれだけの人件費(コスト)がかかっているかを正確に把握できます。これにより、プロジェクトごとの採算性を評価し、事業全体の収益性を管理できます。
- 最適なリソース配分:組織全体のリソース(人員)が、どのプロジェクトにどれだけ投入されているかを俯瞰できます。このデータに基づき、戦略的に重要なプロジェクトへリソースを集中させるといった経営判断が可能になります。
- 将来のプロジェクト計画の精度向上:過去の膨大な実績データは、未来のプロジェクトの見積もり精度を飛躍的に向上させる財産となります。「この規模のこの種の開発なら、これくらいの工数がかかるだろう」という予測が立てやすくなり、現実的な計画立案に繋がります。
- 組織の強み・弱みの分析:組織全体として「どのような開発が得意で効率が良いか」「どのような部分に時間がかかりがちか」を分析できます。これは、技術投資の判断や人材育成計画の立案に役立つ重要な情報となります。
このように、完璧な工数入力は、個人の働き方からチームの運営、さらには経営戦略に至るまで、あらゆるレベルでポジティブな影響をもたらします。
工数入力をする上でのよくある課題
とはいえ、実際工数入力そのものが作業者の負担になっています。
チームメンバーが工数入力で直面する問題
日々の開発業務に追われる中で、工数入力作業そのもの負担になってしまうケースが多く見られます。
- 入力作業が面倒で、後回しにしがち:開発に集中していると、作業を中断して工数を入力するのは手間だと感じます。「後でまとめてやろう」と思っているうちに忘れてしまい、週末や月末に記憶を頼りに曖昧な数値を入力することになります。
- 入力の粒度がわからない:「レビューでの指摘修正」「ちょっとした調査」など、細かい作業をどこまで入力すれば良いのか基準が曖昧なことが多いです。結果として、人によって入力の細かさがバラバラになり、集計したデータとしての価値が下がってしまいます。
- 割り込み作業の扱いに困る:計画になかった緊急の問い合わせ対応や障害調査など、「どのタスクとして工数を入力すればいいか分からない時間」が発生します。入力先がわからないタスクをサービス残業としてしまったり、あまり関係のないタスクに含めてしまったりすることがあります。
- 正直な時間を入力しづらい心理:「簡単なはずの作業に想定以上に時間がかかった」という事実を正直に入力すると、能力が低いと思われるのではないかという不安から、実績を少なめに申告してしまうことがあります。
- 入力するメリットを感じられない:入力したデータがどのように活用されているのかフィードバックがないと、「ただ管理されているだけ」と感じ、モチベーションが低下します。これが入力の形骸化を招く最大の原因です。
チームリーダーが工数入力で直面する問題
チームの進捗管理やメンバーのサポートを行う上で、不正確なデータは判断を誤らせる原因となります。
- メンバーからの入力が遅れる・提出されない:正確な進捗を把握したいのに、メンバーからの工数の入力がないと状況がわかりません。何度も催促する必要があり、余計なコミュニケーションコストが発生します。
- 報告されるデータが実態と乖離している:メンバーが記憶頼りに入力したり、心理的な理由で不正確な数値を入力したりすると、データそのものが信頼できなくなり、プロジェクトの状況を正しく判断できません。
- 入力ルールが浸透しない・形骸化する:細かい入力ルールを定めても、メンバーに意図が伝わっていなかったり、開発の忙しさの中で守られなくなったりします。「とりあえず入力されていればOK」という雰囲気になり、データの精度がどんどん落ちていきます。
- 問題の発見が遅れる:データが不正確なため、特定のタスクの遅延や特定メンバーへの負荷集中といったプロジェクトの危険信号を見過ごしてしまい、気づいた時には手遅れになっていることがあります。
- ツールと実務のミスマッチ:導入されている工数管理ツールが、チームの開発スタイルに合っていない場合、入力が二度手間になったり、必要な項目がなかったりして、かえって現場の負担を増やしてしまいます。
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マネージャーが工数入力で直面する問題
複数のプロジェクトを横断して経営判断を行う立場として、データの標準化と信頼性の担保が大きな課題となります。
- プロジェクト間でデータを比較できない:各プロジェクトで使っているツールやタスクの定義、入力の粒度がバラバラだと、プロジェクトを横断した分析ができません。「Aプロジェクトの『基本設計』100時間」と「Bプロジェクトの『基本設計』80時間」を単純に比較できない、といった問題が起こります。
- 見積もり精度の向上に繋がらない:現場から上がってくる実績データの信頼性が低いと、それを基に分析しても意味がありません。結果として、過去の失敗が未来に活かされず、いつまでも勘と経験に頼った見積もりから脱却できません。
- 投資対効果(ROI)を正しく測れない:どの機能の開発にどれだけのコストがかかったかが不透明なため、事業的な成果とコストを紐づけて正しく評価することが困難になります。
- 全社的な文化として根付かない:工数入力の重要性をトップダウンで伝えても、現場のメンバーがメリットを感じられなければ「やらされ仕事」のままです。データを活用して業務改善に繋げるという文化を醸成すること自体が非常に難しい課題です。
これらの問題は互いに関連し合っているため、どこか一つの視点だけで解決するのは難しく、組織全体での取り組みが不可欠となります。
「工数入力が進まない問題」の解決策
工数入力が直面する問題に対して
の3つの側面からアプローチすることができます。
チームメンバーができること:入力を「楽に」「意味のあるものに」変える
日々の入力のハードルを下げ、その価値を実感することが重要です。
-
入力を習慣化する仕組みを作る
- タイミングを決める:「朝会の冒頭で昨日の実績を共有する」「終業前の5分で入力する」など、チームで入力する時間を決め、ルーティンに組み込みます。ルール
- 入力を忘れない工夫:カレンダーの通知機能や、Slackのリマインダーbotなどを活用し、入力漏れを防ぎます。仕組み
-
入力の負担を極限まで減らす
- ツール連携を活用する:普段使っているIDE(VS Codeなど)、チャットツール(Slackなど)、バージョン管理ツール(Git)と連携できる工数管理ツールを選び、数クリックで入力が完了するようにします。仕組み
- 記憶に頼らない:作業を開始する際にタイマー機能などを使えば、より正確な時間を楽に記録できます。(仕組み化)
-
「わからない」をなくす
- 迷ったらすぐ聞く:「この割り込み作業はどのタスクに入れるべきか?」など、入力に迷うことがあればすぐにリーダーに確認します。この小さな疑問を放置しないことが、データの精度を高めます。文化仕組み
チームリーダーができること:入力を「チームの力」に変える
リーダーの役割は、ルールの整備と、集めたデータをチームの改善に活かすことです。
-
迷わせないルールを作る
- WBS(作業分解構成図)を明確にする:誰が見ても「どの作業がどのタスクに該当するのか」が分かるように、タスクを適切な粒度で定義します。ルール仕組み
- 入力粒度を具体的に定義する:「30分未満の細かい作業は『その他調整』タスクにまとめてOK」「割り込みタスクはこの項目へ」といった具体的なルールをチームで決め、明文化します。ルール
- 目的とメリットを繰り返し伝える:なぜ工数入力が必要なのか、入力されたデータがどのようにチームの負荷軽減や問題解決に役立つのかを、定例会などで繰り返し伝えます。文化
-
心理的安全性を確保する
- 「見積もり超過=悪」の文化をなくす:「見積もりと実績のズレは、未来の精度を上げるための貴重なデータ」という考え方を徹底します。時間がかかった原因を個人攻撃せず、チームで改善策を考える材料として活用します。文化
- 工数と人事評価を直結させない:工数が直接的な評価対象になると、メンバーは正直な入力よりも「評価されるための入力」をしてしまいます。「あくまで改善のためのデータである」ことを明確にします。文化仕組み
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データを活用し、チームに還元する
- 定期的に振り返る:週次レビューなどで「計画と実績の比較」「メンバーの負荷状況」を可視化してチームに共有します。文化仕組み
- データから改善アクションを起こす:「Aさんの負荷が高いからBさんがサポートしよう」「この工程でいつも遅延するから、やり方を見直そう」など、データに基づいた具体的なアクションを起こすことで、メンバーは入力の価値を実感できます。文化仕組み
マネージャー(組織)ができること:入力を「経営の武器」に変える
現場任せにせず、組織として工数データを活用するための基盤と文化を構築します。
-
全社的な基盤を整備する
- 工数管理ポリシーを策定する:プロジェクトを横断してデータを比較・分析できるよう、タスクのカテゴリ(例: 研究開発、新規機能開発、保守・運用など)や入力の基本ルールを標準化します。ルール仕組み
- ツールの標準化または連携基盤の構築:全社でツールを統一するか、各チームが異なるツールを使っていてもデータを一元的に集約できる仕組みを導入します。ルール
-
データドリブンな文化を醸成する
- 経営判断にデータを活用する:「どの事業領域にどれだけリソースを投下すべきか」「次のプロダクト開発にはどれくらいの予算と人員が必要か」といった経営レベルの意思決定に工数データを活用している姿勢を明確に示します。文化
- 成功事例を共有する:工数データを活用して見積もり精度が向上したプロジェクトや、生産性が改善したチームの事例を全社的に共有し、データ活用の価値を啓蒙します。文化
- 現場への投資を惜しまない:入力の手間を削減するためのツール導入や、データ分析のための環境構築など、現場の負担を軽減し、データ活用を促進するための投資を行います。文化
これらの解決策は、どれか一つだけを行っても効果は限定的です。それぞれの立場で役割を果たすことで、工数入力が「やらされ仕事」から「組織の成長を加速させる価値ある活動」へと変わっていきます。
エンタープライズ企業向け、Jiraを使った応用的工数管理方法としてアプリを推奨
リックソフトが扱っているプロジェクト管理ツール「Jira Cloud」には、標準で工数管理機能が搭載されています。
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リックソフトは、承認機能やコスト管理も含めた高度な工数管理をしたいというエンタープライズレベルの組織に向けては、アプリ(アドオン)「Tempo Timesheets」をおすすめしています。Tempo Timesheetsは、Jiraを単なるタスク管理ツールから、財務・リソース管理までを統合するエンタープライズレベルの工数管理プラットフォームへと進化させることを目指して開発されたアプリです。
Tempo TimesheetsはこんなニーズをとらえたJiraアプリ(アドオン)
- 工数管理を厳密に行いたい
- 複数プロジェクト・複数チームの工数を一元管理したい
- 工数データを経営判断や外部報告に活用したい
- 工数の承認機能が必要
既に工数管理に特化した別のツールで使っており、それで十分なのであれば問題ありません。
しかし、Jiraが組織のあらゆるプロジェクト管理の中心になりつつあり、また二重入力の手間削減が課題にのぼり、プロジェクトごとのリアルタイムな工数把握を重視する場合、TempoTimesheets導入を検討してください。
Tempo Timeseetsは、チームメンバーの入力の負担をかなり減らせるやさしいUIとなっています。チームメンバ・チームリーダ・マネージャー三方の仕事が楽になるかもしれません。
APIやCSV連携でJiraと基幹システムのデータ連携も可能できます。
工数入力で得られたデータや知見を、Teamwork Collectionを通じてチーム全体で活用することで、「やらされ仕事」から「組織の成長を加速させる価値ある活動」へと進化させていきましょう。
Timesheets
- 日々のタスクをこなすだけで工数報告や工数集計が簡単にできる
『Timesheets』(Timesheets -AI Jira Time Tracker- O365, Google & more- Tempo)

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工数入力ですべてが解決…?組織文化を変える必要あり・・・
工数入力(Timesheet)の導入ですべてが解決するわけではありません。
本当に組織を強くするためには、チームや組織全体で知見や課題、成功体験をオープンに共有する文化を醸成することが必要です。
Jiraを開発しているAtlassian社がこのほど提供開始した「Teamwork Collection」は、Jiraに加え、コラボレーションツールの「Confluence」、動画共有コミュニケーションツール「Loom」に、ユーザー同士の結びつきをグラフ化しそのデータに基づいた情報を推奨する機能がついたAIエージェント「Rovo」が搭載したアプリセットです。
JiraにConfluence, Loom, Rovoをあわせて使うことで、
- プロジェクトの進捗や課題、ナレッジを誰でも見える化できる(Jira,Confluence)
- コメントやフィードバックを通じて、リアルタイムなコミュニケーションができる(Conflunece, Loom)
- 部門やプロジェクトを超えて情報を共有し、横断的な連携が進む (Rovoエージェント)
といった働き方ができます。
「情報が属人化する」「情報共有がやらされ仕事になりがち」といった従来の課題を乗り越え、振り返りと学びの習慣化(Confluence、Confluence Whiteboard内のテンプレートが充実)チームワークの強化と心理的安全性の向上(Loomで繰り返し動画を閲覧可能)組織全体でのベストプラクティス共有することで、オープンで協力的な組織風土につながる設計になっています。
Jiraだけ、またはJiraとConfluenceだけを導入しており、組織文化の改革に課題をお持ちの方は一度お問い合わせください。
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