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IT資産管理ツールとは?Excel管理の限界から導入メリット・選び方まで解説

2026.06.02


IT資産管理ツールとは?Excel管理の限界から導入メリット・選び方まで解説

IT資産管理ツール(ITAMツール)とは、PC・サーバーなどのハードウェア資産やソフトウェア・ライセンスの利用状況などのIT資産を一元管理し、最適化するシステムです。台帳作成・更新の自動化による運用効率化、セキュリティリスクの低減、ライセンスコストの最適化といった導入効果が期待されます。

手動・Excel管理による台帳管理の限界を解消し、インベントリ収集の自動化によって正確な資産状況をリアルタイムに把握できます。その結果ライセンスの最適化によるコスト削減や、不正持ち出し・シャドーITの検出といったセキュリティ・コンプライアンス強化につながります。近年、グローバル企業では、Jira Service Management(Atlassian Service Collection)などのITSMツールとインベントリ収集ツールを両輪使いし、社内のITヘルプデスク業務と資産管理を統合するアプローチにシフトしています。

2026年現在のIT資産管理の手法をご紹介します。

IT資産管理(ITAM)とは?対象となる資産とツールの役割

IT資産管理(ITAM)とは?対象となる資産とツールの役割

IT資産管理(ITAM:IT Asset Management)とは、企業が保有するITリソースのライフサイクル(導入・運用・保守・廃棄)を適切に管理するプロセスです。

管理対象はPCやスマートフォンといった物理的なデバイスから、ソフトウェアライセンス契約やクラウドサービスまで多岐にわたります。IT環境が複雑化する現代、これらを「人手」で追うことは不可能です。ツールの役割は、常に変動する構成情報を自動的にキャッチし、ガバナンスとコスト最適化の基盤となる「信頼できる唯一の情報源(Single Source of Truth)」を確立することにあります。

PC・サーバーなどの「ハードウェア」資産管理

ハードウェア管理では、社内のPC、サーバー、ネットワーク機器、モバイルデバイスの所在を明確にします。「誰が、どの端末を、どこで使用しているか」という利用者情報に加え、CPUやメモリのスペック、OSのバージョン、リース契約の満了日、保守期限などを詳細に追跡します。

物理デバイスの正確な把握は、紛失時のリスク管理や機材更新計画の策定に欠かせません。そこで役に立つのが、インベントリ収集ツールです。ネットワーク経由でこれらの情報を自動取得でき、ITAMツールに連携させると、常に最新の状態を可視化できます。

アプリケーションやSaaSの「ソフトウェア・ライセンス管理」

ソフトウェア管理では、端末にインストールされているアプリの種類やバージョン、そして保有しているライセンス数と実際の使用数を突合します。特に近年急増しているSaaS管理では、未承認のアカウント利用(シャドーIT)・未使用アカウントの特定が欠かせません。

目に見えないデジタル資産の可視化は、法的リスクの回避や、未使用アカウントの解約によるIT支出の適正化・セキュリティリスク排除につながります。適切なライセンス管理は、企業が社会的責任を果たす上でも極めて重要な役割を担います。

Excel(エクセル)によるIT資産管理が抱える3つの限界

Excel(エクセル)によるIT資産管理が抱える3つの限界

ExcelによるIT資産管理には、主に以下の3つの限界があります。

  1. 手作業による更新漏れ: 台帳が実態と乖離し、形骸化する。
  2. セキュリティ対応の遅れ: 脆弱性のある端末を即座に特定できない。
  3. コンプライアンスリスク: ライセンス違反やシャドーITを把握できない。

2000年代、多くの企業がIT化に伴い、IT管理台帳・資産管理台帳を紙からExcelに移し、管理していました。

しかし、物理サーバーから仮想サーバー、多種多様なSaaSアカウントへとIT資産が爆発的に増加・複雑化した現代では、手入力によるExcel管理は限界を迎えています。

台帳の更新の遅延や入力ミスが重なることで、台帳の内容は実態と乖離していきます。IT資産の現状の正確な把握ができなくなり、適切なライフサイクル管理ができないだけでなく、セキュリティ面やコンプライアンス面でも、リスクを抱えた状態にあることを自覚することができず、企業活動に悪影響を与えます。

手作業による更新漏れと台帳の形骸化

故障による代替機の貸出や部署異動に伴う機材移動の際、Excel台帳への入力を「後回し」にした結果、所在不明の端末が発生するのは管理者に「あるある」な課題です。

一度実態とデータが乖離し始めると、現場は台帳を信用できなくなります。確認作業のために再度現地調査を行うという二重の手間が発生します。ITILでいう「構成管理」の破綻は、ITサービス全体の品質低下を招くだけでなく、有事の際の迅速な対応を妨げる大きな要因となります。

ソフトウェアの脆弱性対応の遅れとセキュリティリスク

サイバー攻撃から組織を守るには、脆弱性が発見されたソフトウェア・バージョンを即座に特定し、パッチを適用する必要があります。しかし、Excel管理では「どのPCに古いバージョンのソフトウェアが入っているか」「最後にセキュリティパッチを入れたのはいつか」を特定することができません。

Excel台帳は人力で更新するため、情報の鮮度が低い台帳に頼っていては、セキュリティホールの特定が遅れ、マルウェア感染や情報漏えいの致命的な引き金となってしまいます。ツールによる自動的なインベントリ収集があれば、即座に対象端末を特定し、対策を講じることが可能です。

ライセンス違反やシャドーITによるコンプライアンス問題

従業員による商用不可フリーソフトのインストールや、退職者のSaaSアカウントの消し忘れといったリスクがつきまとい、手作業の管理だけでは限界があります。

しかし、スキャンツール等と連携して「あるべき状態」と「実状」の差分を自動で検知すれば、こうした誤った状態を即座に是正できます

メーカー監査時の多額の違約金リスク(ライセンス規約違反)につながるライセンスの過剰利用や、情報漏えいの温床となる管理外のクラウド利用(シャドーIT)を未然に防ぎ、企業のコンプライアンスを強固に守ることが可能です。

IT資産管理ツールを導入する具体的なメリット

IT資産管理ツールを導入することで、情シスは「情報の追いかけっこ」から解放されます。自動化によって管理工数が劇的に削減されるだけでなく、正確なデータに基づいた投資判断が可能になるため、経営層にとっても「コスト最適化」と「リスク低減」という明確な価値がもたらされます。

ITILの視点でも、構成情報の正確性はサービス復旧の迅速化に直結し、組織全体のITサービス品質を高める原動力となります。

IT資産管理ツールを導入する具体的なメリット

資産情報の自動収集による台帳作成の工数削減

インベントリ収集ツールとITAMツールを導入し、連携させれば、ネットワーク経由で各端末のインベントリ収集を自動的に実施できます。OSの種類、パッチ適用状況、インストール済みのソフトウェア一覧などが定期的に更新されるため、システム担当者が手入力でExcelを更新する必要はなくなります。

常に最新かつ正確な台帳が自動維持されることで、年に数回の棚卸し作業の工数も大幅に短縮され、担当者はより付加価値の高い業務に専念できるようになります。

余剰ライセンスの最適化と無駄なITコストの削減

IT資産管理は、「どのライセンスが、実際にどれだけ使われているか」の稼働状況を可視化できるのが強みです。長期間起動していないソフトウェアや、重複しているSaaSアカウントを特定することで、次回の契約更新時にライセンス数を適正化し、IT予算のコスト最適化に直接貢献できます。

根拠のある稼働データに基づいたライセンス返却や解約の判断は、経営層への強力なアピール材料となり、IT投資の最適化を証明する手段となります。

自社に最適なIT資産管理ツールの選び方と機能比較

自社に最適なIT資産管理ツールの選び方と機能比較

ツール選びで重要なのは、現在の課題解決だけでなく、将来の拡張性を見据えることです。単に「資産リストを作る」だけのツールではなく、社内のワークフローやセキュリティポリシーとどう連動させるかが運用の成否を分けます。

特にテレワークが標準化した現在、社外ネットワークにある端末をいかにストレスなく、かつセキュアに管理できるかが大きな分岐点となります。

クラウド型(SaaS)かオンプレミス型かの運用形態

社外へ持ち出す端末が多い現代では、インターネット経由で管理できる「クラウド型」が主流です。他のクラウドサービスとの連携が可能で、例えばMDM(モバイルデバイス管理)サービスと連携すれば、VPNなしのテレワーク環境でも高い管理レベルを維持できます。

一方で、社内規定でデータを外部サーバーで保存できないなど高い機密性が求められる環境では、オンプレミス型も選択肢に入ります。しかし、オンプレ型は社内ネットワーク外の機器管理に弱く、また、ツールに脆弱性が見つかった場合のパッチ適用など、保守の手間や工数もかかります。生成AIなど技術進化が著しい今、自社での運用保守の負担を考慮すれば、ベンダーに保守・開発を任せられるクラウド型のメリットは大きいと言えます

ITSM(ITサービスマネジメント)ツールとの連携性

資産管理を単体の機能として完結させず、ヘルプデスク業務(ITSM)と連携させる視点が重要です。

「PCが動かない」という問い合わせに対し、そのユーザーの構成情報が即座に参照できれば、対応時間は大幅に短縮されます。ITIL準拠の運用を目指すなら、インシデント管理と資産管理がシームレスに統合されたプラットフォームを選ぶことが、結果として運用の効率化を最大化させます。

リックソフトが提案するService Collectionを活用した次世代のITAM

リックソフトは、Atlassian(アトラシアン)社のPlatinum Solution Partnerとして、Service Collectionの資産管理機能「Assets」を活用した次世代のITAMソリューションを提供しています

このソリューションのアプリ「Assets」は、単なる台帳機能を超え、ITサービス全体と資産情報を結びつける強力なプラットフォームです。IT資産情報をAtlassian純正インベントリ収集アプリ(アドオン)「Assets Discovery」や連携可能なディスカバリツールで検出し、「Assets」内でまとめて依存関係を管理・可視化できます。

問い合わせ対応と資産情報の統合によるインシデント早期解決

Atlassian Service Collection内のITサービス管理プラットフォーム“Jira Service Management”とAssetsをあわせて使うことで、「PCが故障した」というユーザーからの問い合わせに対し、管理されている端末情報を自動で紐づけることができます。

社内のシステム担当者(オペレータ)は、ユーザー名から即座に端末のスペック、保証期間、過去のトラブル履歴を確認できるため、原因究明のスピードが格段に向上します。情報の分断をなくすことで、ユーザー満足度の高いサポートを実現し、業務停止時間を最小限に抑えることが可能です。

従業員の入退社プロセス(オンボーディング)の自動化

入退社時の資産管理漏れは、セキュリティリスクとライセンスの無駄の大きな要因です。

Atlassian Service Collectionを活用すれば、入社時のPC割り当てからアカウント発行、退職時のデバイス回収プロセスまでを標準的なワークフローとして自動化できます。JSMで管理する各プロセスとAssets上の資産ステータスを連動させることで、「誰に貸与したか不明」「保守期限切れのPCを貸与していた」といったミスをゼロにし、資産のライフサイクル全体を完全にコントロール下に置くことができます。

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IT資産管理ツールに関するよくある質問(FAQ)

Q:中小企業やスタートアップでもIT資産管理ツールは必要ですか?

A:はい、強く推奨します。規模が小さいうちからIT資産管理ツールで基盤を整えておくことで、将来の急成長に伴うデバイス増にも柔軟に対応でき、管理の破綻を防げます。

また、上場準備や大手企業との取引において、適切なIT管理体制があることは、セキュリティ・コンプライアンスの観点から企業の信頼性を証明する重要な要素となります。

Q:既存のExcelデータからツールへの移行は簡単ですか?

A:多くのツールにはCSVインポート機能が備わっており、既存のExcel台帳データを引き継いで利用できます。ただし、データの不整合を修正する「クレンジング」が必要になるケースも多いため、リックソフトのような導入支援パートナーのサポートを受けることで、現行運用からのスムーズな移行と、将来を見据えた理想的な管理フローの再構築が可能です。

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【監修】

リックソフト株式会社 サービスマネジメント課

西村扶美枝

ITIL® 4 Foundation Certificate in IT Service Management ITIL® 4 Specialist Create, Deliver and Support ITIL® 4 Strategist Direct, Plan and Improve ITIL® 4 Specialist Drive Stakeholder Value 資格情報
(2026年4月17日現在)

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