株式会社LayerX|導入事例

Jira Service Management/Atlassian Guard導入事例
- 株式会社LayerX様

Jira Service Management/Atlassian Guard導入事例 株式会社LayerX様

使いやすさから利用者数は1年で約10倍に!
IT部門からビジネス部門へ広がる、効率的な問い合わせ管理の仕組み


株式会社LayerX


株式会社LayerX様 ロゴ 株式会社LayerXでは、社内の問い合わせ管理における属人化と業務負荷の増大を背景に、新たなITサービスマネジメント(ITSM)基盤を導入。 ITILに準拠しており、「Slack」などの外部ツールとの連携性の高さを評価し「Jira Service Management(Premiumプラン)」および「Atlassian Guard」の採用を決定した。導入・運用にはリックソフトの支援を得てPoCから本格展開までをスムーズに実施。今ではIT部門を起点に、ビジネス部門にもJira Service Managementの活用が広がっている。導入の背景や評価、今後の展望について、コーポレートエンジニアリング室 IT基盤グループのマネージャー、篠嵜 洸氏に話を聞いた。

LayerXは、AIやソフトウェアによって社会課題の解決を目指すスタートアップ。法人支出管理や人的資源管理などの業務効率化AIクラウドサービス「バクラク」の提供をはじめとしたバクラク事業、大規模言語モデル(LLM)を用いた文書処理効率化ソリューションを軸とする Ai Workforce事業、そして金融領域における資産運用の課題解決を目指すFintech事業など、複数の領域で先端技術を活用したサービスを展開している。

(取材対象者)

株式会社LayerX コーポレートエンジニアリング室 IT基盤グループ マネージャー 篠嵜 洸氏

背景・課題

既存ツールの連携だけでは
増加する社内問い合わせへの対応が困難に

LayerXは、「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げ、SaaS+Fintechを軸に、AIを中心としたソフトウェア体験を提供するスタートアップである。従来の仕組みを単にデジタルに置き換えるのではなく、ソフトウェアや機械学習の力を用いて人々の行動そのものを変革しようとする姿勢が特徴だ。

そんな同社のIT基盤の管理・運用を全般的に支えるのが篠嵜洸氏が所属するコーポレートエンジニアリング室である。グループマネージャーを務める篠嵜氏は、同室の役割について次のように語る。

「テクノロジーを通じて企業としての競争力を高めることをミッションとしています。そして社内のIT基盤全体を管理・運用する一方、社員一人ひとりの生産性を向上させるための取り組みにも注力しています。また、事業内容上、企業の情報システム部門がお客様となるケースも多いため、ユーザー視点でサービス改善に関わることもあります」(篠嵜氏)

企業の情報システム部門がお客様となるケースも多いため、ユーザー視点でサービス改善に関わることもあります 株式会社LayerX 篠嵜 洸氏

前述のようにコーポレートエンジニアリング室の業務は多岐にわたるが、同室内のセキュリティチームでは顧客企業からのセキュリティチェックシートへの回答準備といった業務も行われていた。さらに社内の他のバックオフィス部門(人事、労務、経理、総務など)においても、それぞれが独自の問い合わせ窓口を持ち、個別に対応していた。

当時の状況について「部門ごとに問い合わせ対応が分かれており、それぞれが独自のやり方で進めていたため、問い合わせ内容の管理や情報の蓄積にバラつきがありました」と篠嵜氏は振り返る。

もともとは、APIを使ってSlack と情報共有ツールを連携させ、簡易的に社内問い合わせに対するチケット管理を行っていたという。しかし、問い合わせが増えるにつれて対応が追いつかなくなり、管理上のメンテナンス負荷も高まっていった。

「部署やチーム、さらには個々の担当者によってチケットの保存方法が異なり、どこに何の情報があるのか把握しづらくなっていました。結果として、同じような問い合わせが繰り返されても対応履歴を活かせないケースが多く、効率化が進まなかったのです」(篠嵜氏)

さらに、社内のユーザーにとっても「どのチームに、どう問い合わせをすればよいのか」が分かりにくい状況が続いていた。問い合わせ対応者と社内ユーザー両者にとって、負担が増加していたのだ。

こうした課題を背景に、同社では問い合わせ管理の仕組みそのものを見直す必要性を強く感じ、新たな解決策を検討し始めたのだった。

選定理由

ITILに準拠したチケット管理やSlack連携性、
コストメリットを重視してアトラシアン製品群を選定

基盤刷新にあたり、LayerXでは、複数のITSMツールを比較検討。その中で最終的に選定されたのが、ITサービスマネジメントプラットフォーム「Jira Service Management」のPremiumプランと、ユーザー管理やログイン認証を強化する「Atlassian Guard」だった。その選定理由のひとつが、Jiraならではのチケット管理機能の充実度だという。

「ITILに準拠した構成があらかじめ備わっており、初期段階からスムーズにチケット管理が始められる使い勝手の良さに大きな魅力を感じました。また、業務の中心においているコミュニケーションツール『Slack』との連携性が高く、Slack内でチケットの起票から対応まで完了できる点も大きな決め手となりました。そして何より、問い合わせをする側である社内ユーザーにはライセンス費用がかからない点に、コストメリットを強く感じています」(篠嵜氏)

Jira Service Managementで全ての問い合わせ対応履歴を一元管理

導入相談・サポートを担ったのがリックソフトであり、その選定理由について篠嵜氏は次のように語る。

「実は前職でもリックソフトからアトラシアン製品に関する支援を受けていた経験があり、新しい機能やサポートが充実している印象が強かったのです。自社だけではカバーしきれない情報もキャッチアップしていただけるため、リックソフトに依頼することにしました」(篠嵜氏)

Premiumプランを選定した背景には、将来的な活用範囲拡大を見据えた構想がある。構成管理やIT資産管理といった機能の充実に加え、外部ツールとの連携性を重視し、段階的な機能拡張に対応できる柔軟性を評価したという。

導入については、2024年4月にリックソフトに相談したのを皮切りに、5月から3ヶ月のトライアルを開始。評価の後半ではユーザー認証強化の必要性から「Atlassian Guard」の導入も検討対象に加わり、9月には検証を終え、10月に正式契約へと至った。

「Premiumプランは、外部ツールとの連携性が高く、Atlassian APIを活用してノーコードの自動化ツールを組み合わせることで、問い合わせ対応の効率化や一次対応の自動化も実現できるのが魅力です」(篠嵜氏)

このように、充実した標準機能と柔軟な拡張性、そしてセキュリティ機能を統合的に備えられる点、そして手厚いサポート体制こそが、アトラシアン製品をリックソフトから導入するという選択を後押ししたのである。

導入効果

問い合わせ窓口の一元化と対応漏れの解消を実現
AI連携による自動化で業務効率化も達成

Jira Service ManagementのPremiumプランとAtlassian Guardの導入後、ライセンス数は段階的に拡大。導入から1年で、Jira Service Management は5エージェントから10倍の50エージェントへ、Atlassian Guardは15ライセンスから50ライセンスへとスケールアップしている。

Atlassian Guardの導入により、シングルサインオン(SSO)によるユーザー認証強化が実現された。篠嵜氏は導入効果について次のように語る。
「SAML認証によるSSOは、セキュリティ強化と管理のしやすさという観点で必須でした。多要素認証との組み合わせによって、ユーザー管理もより一元的に行えるようになっています」(篠嵜氏)

Jira Service Managementの導入によって、チーム全体での問い合わせ対応が標準化された効果も大きい。社内ユーザーにとっては「どこに問い合わせればよいか」が明確になり、共通認識として定着した。一方、問い合わせ対応者においても対応状況の可視化や改善サイクルの共有がスムーズになっている。

「どのチームに、どんな問い合わせが、どれくらい寄せられているかを定量的に確認できるようになり、未対応のチケットや回答漏れも減りました。月次・四半期単位で傾向分析も可能になり、継続的な業務改善にもつながっています」(篠嵜氏)

また、Slackとの連携性の高さも実感している。たとえば、誤ったチャネルで起票された問い合わせでも、適切なチームへ簡単に振り分けることができるようになり、コントロール可能な状態が実現したという。

加えて、外部のAIと組み合わせた一次対応の自動化も積極的に進めている。問い合わせ内容に応じて、既存のナレッジベースを検索・参照するヘルプページを提示したり、初回返信文の作成をAIに代行させることで、要件整理を自動化し、対応時間の大幅短縮を実現している。

現在は外部のAIと連携した活用をしているが、Jira Service Managementに搭載されている生成AIアシスタント・横断検索AI「Rovo」にも関心を寄せている。

「今後チームが拡大したときに備えて、横断検索機能などは大きな武器になり得ます。データ統合や文書生成なども含めて、Rovo には大きな可能性を感じています」(篠嵜氏)

AI活用に関しては、会社としても「Bet AI」という行動指針を掲げ、プロダクトだけでなくバックオフィスでも積極的な実証と実装を推進中だ。Jira Service Managementの導入と連動しながら、次世代の問い合わせ管理のあり方に挑戦し続けている。

今後の展望

IT部門からビジネス部門へ展開拡大
標準化された問い合わせ管理で全社的な業務改善を推進

Jira Service Management導入による効果は、IT部門(コーポレートエンジニアリング室)を超えてビジネス部門にも波及し始めている。営業支援など、社内で問い合わせ業務を担う部門が「自分たちも使いたい」と手を挙げたことで、展開の足がかりができたという。

「もともとは、ここまで波及するとは考えていませんでした。しかし、ビジネス部門の社員がユーザーとして問い合わせする際に『Slackで全て完結できる便利さ』を実感したことで、自然な形で導入を検討してくれるようになりました。Slack上で問い合わせ受付やチケット起票ができる仕組みが社内で理解されたことも大きいです 」(篠嵜氏)

このようなビジネス部門への展開に伴い、QA対応や運用フロー構築の負荷も高まっていることから、リックソフトのサポートを活用。支援について「提案の質が高いだけでなく、知見の共有もしていただけるため、短期間で多くのノウハウを得ることができました」と篠嵜氏は評価する。
またリックソフトが独自で作成・販売しているJira Service Managementの管理者向けガイドブックも役立っているという。

「分からないことがあった際に辞書的に使えるほか、流し読みすることで『こういうこともできるのか』という思わぬ発見が多くありました」(篠嵜氏)

導入当初から継続的なサポートを受けており、リックソフトとの信頼関係も深まっているとのこと。

「ブログや契約者向け技術情報の発信も充実しており、製品の詳細情報や運用のコツなども提供してもらえることで、自社だけではカバーしきれない情報をキャッチアップできています。さらに、機能上の制約がある場合、『できません』で終わらせるのではなく、一緒に解決策を模索してくれる寄り添った支援体制が非常に心強いです。通常海外ベンダー製品を直接導入する場合、商習慣や言語の違いに直面することも多いと思うのですが、国内パートナーとしてのリックソフトの存在が当社にとって大きな支えとなっています」(篠嵜氏)

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