慶応義塾大学 環境情報学部 先端生命科学研究会様|導入事例

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Confluence 導入事例 - 慶応義塾大学 環境情報学部 先端生命科学研究会 様

慶応義塾大学 環境情報学部 先端生命科学研究会


慶応義塾大学慶應義塾大学 環境情報学部 先端生命科学研究会 准教授 内藤泰宏氏に、Confluenceを導入した経緯とその導入効果について詳しく聞きました。

(慶應義塾大学 環境情報学部について)

慶應義塾大学

慶應義塾大学 SFC(湘南藤沢キャンパス)は学際を超えた様々な研究を行っています。IT関連では、日本のインターネットの先駆けとなったWIDEプロジェクトの拠点として知られています。

(先端生命科学研究会 について)

バイオテクノロジーを研究する先端生命科学研究会は、冨田勝教授を中心とする、いわゆる「冨田ゼミ」ですが、参加人数は約100人に及ぶなど、ほとんど学科並みの規模となっています。

ゼミ内の情報共有ツールとしてConfluenceを活用

先端生命科学研究会では、Confluenceをどう活用していますか。

Confluenceは、先端生命科学研究会(※ 以下 「研究会」ではなく「ゼミ」と呼称します)のための、「情報共有ツール」として活用しています。現在、学生および教員、約40人がConfluenceを使っています(※)。

Confluence(※ ウィキ)は、研究よりは、むしろ「教育」の方で役に立っています。

大きくは「教育事務の効率化」、「ゼミの活動記録保存(「ゼミ史」の自動生成」)、「ゼミのメンバーの相互交流の促進」に活用しています。

※ 参考情報:ウィキ(Wiki)とは?

ウィキとは、インターネット上で情報を管理する仕組みの呼称、あるいは、その仕組み実現するソフトウエアの総称です(特定ツールの固有名詞ではありません)。

従来の仕組みは、「誰かが、一箇所で作成(変更・編集)した情報を、ネット上で、みんなが見る」というものでしたが、ウィキの場合は、「ある情報を、あらゆる場所から、みんなで、よってたかって作成(変更・編集)し、それをみんなで見る」ことになります。

このウィキの仕組みを利用して作られているコンテンツの代表例が、インターネット上の無料の百科事典、WikiPedia(ウイキペディア)です。

ウィキを実現するソフトウエアは多数あります。無料ツールとしてPukiWiki(プキウィキ)、MediaWiki、商用ツールとしてはConfluenceが代表例です。

なお「ウィキ」という名称は、ハワイ語で「速い」という意味です。

※ 先端生命科学研究会は、湘南藤沢キャンパスと、山形県鶴岡市に設置された鶴岡タウンキャンパス(TTCK)の2箇所にまたがっています。

Confluence(ウィキ)と他の情報共有ツールの違い

※以下 Confluence(ウィキ) は、Confluence と記載します。

情報共有は、メールやファイルサーバを使って行うことも可能です。それらの手法とConfluenceの、効果の違い、役割の違いを教えてください。

おっしゃるとおり、ゼミ内の情報共有には様々な手段があり、ウィキはその一つにすぎません。各手段の役割の違いを図示すると、次のようになります。

先端生命科学研究会における情報共有手段の使い分け

手段 議論 記録 連絡 人物紹介 長所 内容
顔を合わせての会話 × リアル 言うまでもなく「一番だいじなこと」です
テレビ会議 × 遠距離でもリアルに会話できる SFCとTTCKとの会話にはテレビ会議を使います。かなり頻繁に使っています。
メール × 手軽 メールは「連絡」に使います。メールは込み入った「議論」には不向きです。
メーリングリスト × 特定メンバー間の連絡が容易 メーリングリストも「連絡」に使います。「議論」には使いません。
ファイルサーバ × × × ファイル共有ができる 研究データの共有、プログラム開発時のソースファイルの共有などで活用します。
電子出版システム × × × 研究成果の管理・蓄積に便利 研究成果の蓄積には「Open Journal Systems」というフリーソフトを活用。ゼミ内の擬似「学術雑誌」の作成もできます。「バックナンバー保管」も可能。
グループウエア × × × 会議室、実験機器などの予約ができる Group Sessionという無料ツールを活用
ウィキ × (後述) 「教育事務の効率化」、「人物紹介」、「活動記録保存」に強い

Confluenceの良い点

Confluenceを使っていて「良い」「便利だ」「役立つ」と思える点を教えてください。

Confluenceを使っていて良いと思う点は次のとおりです。

良い点1.「教育事務の効率化」

順番にお聞きします。ウィキ(Confluence)の良い点1.「レポート提出管理、成績管理など各種教育事務の手間が大幅に削減できる。」とは

ウィキは2005年頃から使っています。当初は、「学期末のレポートの提出に関する事務作業の効率化」が導入の目的でした。

以前は、学期末のレポートは、学生担当の研究室秘書が管理していました。ただでさえ忙しい学期末に、大量のレポートがどさどさと積み上げられていくため、それの整理と対応には多大な手間(人的労力)が必要でした。

この非効率を低減するために、学期末レポートを「電子提出」に切り替えたいと考えました。

レポートを電子提出させるには「管理システム」が必要です。そのシステムはウィキを使って作るのが良いと考え、無料ツール『PukiWiki』を使って「学期末レポート提出システム」を自作しました。このシステムは現在も活用中です(将来的にはConfluenceに置き換える予定ですが)。

この他、ウィキを使って、「成績管理」、「ポイント管理(※)」なども行っています。今後も教育事務作業はConfluenceを使って、どんどん合理化していくつもりです。

大学には研究と教育の二つの役割がありますが、ウィキ(Confluence)が役立つのは、研究よりはむしろ教育の場面であるように思います。

※ 当ゼミでは、モチベーション向上のためのポイント制度を実施しています。「学術論文を書く」、「外国語検定で高得点を取る」など科学者として個人・研究会に貢献した場合、ポイントが貯まります。ポイントが一定点数を超えると、学会出席の交通費が支給されるなどの特典があります。

良い点2.「学生の研究プロジェクト選びのための情報提供」

良い点2.「学生が自分に合った研究分野を選ぶための情報提供ができる」とは。

内藤泰宏氏

私たちゼミ教官は、学生に、自分に合った研究分野(プロジェクト)を選んでほしいと願っています。

しかし、ゼミに入ったばかりで充分な知識も経験もない段階で、自分にいちばん合ったプロジェクトを選びとるのはとても難しいことです(私も学生時代はそうでした)。選んだプロジェクトで上手くいけば問題はないのですが、うっかり性に合わないプロジェクトを選んでしまうと、後が大変です。プロジェクトに所属すればたとえ短い期間でも先輩や教官との人間関係が生まれますし、「試しに入ってみましたが、性に合わなかったので、やっぱりやめます」とは言いづらいでしょう。

プロジェクト選びにはこのような「一発勝負」の側面がどうしてもあります。それでも、なるべく学生には、プロジェクトとの「良い出会い」を実現してほしい。

Confluenceの中の「各プロジェクトの紹介」には、その「良い出会い」を促進する役目を期待しています。これを読めば、各プロジェクトの研究内容、活動内容が分かります。学生のプロジェクト選びを助けるための情報提供ページです。

良い点3.「『人』のことが分かる」

良い点3.「『人』のことが分かる」とは。

良い点3.「『人』のことが分かる」とは。

先ほど「学生には、自分に合ったプロジェクトを選んでほしい」と言いましたが、そのとき非常に大事なのが、「自分とウマが合う人がいるプロジェクトを選ぶ」ことです。

相性は重要です。「この人とは全くソリが合わないけれど、このプロジェクトの内容自体は最高だから毎日が楽しい」ということは、たぶん起きない。むしろ「この人と一緒だと何か面白いな。この人がいるこのプロジェクトに入って良かったな」ということの方が起きやすいと思います。

Confluenceにはパーソナルページというものがあって、先輩や同僚が顔写真入りで、自分のプロフィールや研究活動内容を公開しています。これを見て、「この人、何となく面白そうだな」と思ってくれて、それからその人の研究論文を読みはじめる、そんな流れがいいと思います。

「この研究、面白そうだな」というより「この人、面白そうだな」という方が、人間の感情の流れに即しています。

このような「人と紐づいている情報提供の在り方」は、ファイルサーバや論文検索システムにはないもので、ウィキならではの良さだと思います。

「良い点4.「ゼミの活動履歴の保存」

良い点4.「ゼミの活動履歴が半永久的に保存できる」とは。

「ゼミの活動履歴が半永久的に保存できる」とは。

ゼミが5年、10年と続いたときに、Confluenceに蓄積されていく記録は、そのまま、そのゼミの「活動記録」「通史」となります。わざわざ通史を編まなくても、日常の作業を通じて、自動的に生成されていくのが良い点です。

また、Confluenceを使えば、上書きした古い情報も追跡できます。これはファイルサーバにはない利点です。

たとえば、aaa.pdfというファイルがあったとして、ファイルサーバの場合には、ここに新しいファイルを上書きすると、古いファイルは、当然ですが読めなくなります。

しかし、Confluenceの場合は、新しいファイル(aaa.pdf)をアップすると、以前のファイルがaaa(1).pdfという名前に自動的にリネームされて残ります。つまり、ファイルの履歴が半永久的に保存できるわけです。細かい機能ですが、初めて知ったときにはけっこう感動しました。

これに限らず、Confluenceはバックアップ機能が優れています。システムにトラブルがあった場合でも、直前の旧版データに遡って「復元」することが可能です。

学生は4年で卒業するので、ゼミでは数分の一のメンバーが毎年、入れ替わります。考えようによっては企業以上に「人の入れ替わりの激しい世界」です。

そんな環境の中でも、Confluenceを使えば、ゼミの活動記録の半永久的な保存・継承が可能になります。

良い点5.「隣の研究プロジェクトのことが分かる」

良い点5.「隣の研究プロジェクトのことが分かる」とは。

先端生命科学研究会では、学生の視野を広げるために、卒業までの間に、2つ以上のプロジェクトを渡り歩くことを推奨しています。

この「2つめのプロジェクト」を選ぶとき、Confluenceのプロジェクト紹介ページが役に立ちます。

良い点6.「プロジェクトの新規メンバーへの経緯説明がラクになる」

良い点6.「プロジェクトの新規メンバーへの経緯説明がラクになる」とは。

プロジェクトに新たに参加してくる学生には、プロジェクトの「これまでの経緯」を説明する必要があります。

この作業は口頭でやろうとすると、非常に面倒です。毎学期入ってくる学生のうち、興味を持った人が話を聞きにきてくれますが、その度に同じ話を繰り返すことになり、効率的とはいえません。

しかしConfluenceの導入後は、「話をする前に、これ、見ておいてね」とプロジェクトのページを紹介すれば、かなりの説明を省略できますし、後は、学生が、おのおの自分の興味に応じて、紹介した以外のプロジェクトページまで読み込んでくれることもあります。

Confluenceを採用した経緯

先端生命科学研究会がConfluenceを採用した経緯を教えてください。

Confluenceのことは、ゼミのエース級の学生、A君の紹介で知りました。

A君は、大学卒業後、有名電機企業の研究開発部門に就職し、今も次々と成果を出しています。5年前、2008年に、そのA君に、授業に来てもらい、SFCにいたころの研究と現在の研究の話をしてもらいました。

すると1時間の講演時間のうち15分ぐらいを使って、「いい仕事をするには、いいウィキを導入して、チーム内で情報共有することが大切だ」とやけに熱心に話したのです。さらに「会社ではConfluenceを使っている。これ最高です」という彼の言葉で、Confluenceという製品の存在を知りました。

ゼミでもエース級の学生だったA君が、そこまで推すのならよいツールなのだろうと思い、Confluenceに興味を持ちました。特にセキュリティと権限設定の機能には期待しました。

セキュリティ機能を重視

「Confluenceのセキュリティと権限設定の機能には期待した」とは具体的には。

それまで使っていた無料ツール、PukiWikiは、セキュリティや権限設定の機能があまり充実していませんでした。

PukiWikiに限らず、そもそもフリーソフトウエアというのは、基本的に「素っ気ない」ものです。操作性が良いとか、手厚いサポートがあるとか、マニュアルが懇切丁寧であるとかいうことは期待できません。また、セキュリティや権限設定など、フリーソフトウエア作者の視点から見て、「面白くない、面倒くさい」機能も、あまり充実していない。

「素っ気ない」ことについては、私ははプログラムを読める人間なので特に苦になりません(そうしたスキルを持たない方が深く使いこなすのは、少々ツラいかもしれません)。しかし、「セキュリティや権限設定の機能」については、不十分なのは困る。やはり、ゼミという「半ば公け」の場で使うツールですから。

一方、A君が薦めるConfluenceは、機密保護が特に重要な、電機企業の研究開発部門で使われているわけです。セキュリティについては十分な機能があると期待できます。A君の話を聞いた限りでは、フリーソフトの「柔軟性」と商用ツールの「確実性」とを併せ持ったシステムのようでした。

まずは使ってみて損はないと考え、2008年にConfluenceを導入。まずは50ライセンスでスモールスタートすることにしました。

現在のConfluence管理者は、一応、私ですが、研究プロジェクトのページは学生が自由に新設して良いことにしています。

以来、Confluenceを5年に渡り、活用し続けています。今や先端生命科学研究会にとって「なくてはならない」ツールです。

実際に使ってみて便利だと思った機能

5年間、使ってみて分かったConfluenceの良さについて教えてください。

Confluenceは5年間使って、「ダッシュボード機能」、「個人をお気に入りにする機能」、「権限設定による画面のスッキリ表示」が特に便利だと感じています。

「ダッシュボード機能」
Confluenceの「ダッシュボード機能」を使えば、最初に表示されるトップ画面を見るだけで、最近、ゼミ内で、誰が、何をやったのかという最新情報が、一覧できます。毎日、見ていて興味深いです。
「個人を"お気に入り"にする機能」
Confluenceでは、気になる人がいる時は、その人を「お気に入り」に入れれば、その人の最新情報がトップ画面に表示されるようになります。ツイッターのフォローと同じような感覚です。これは「"人"に着目した情報共有」を実現する、良い機能だと思います。
「権限設定による画面のスッキリ表示」

「権限設定」というと、セキュリティ強化のための不自由な機能というイメージがありますが、実は、別の利点があります。

権限設定をやらないと、自分に関係ない情報も含めて「何でもかんでも」が画面表示され、見づらくらなります。 しかし、権限設定を的確に行うと、トップ画面に、自分が参加可能なプロジェクトの情報だけ」が表示されるようになり画面がスッキリするのです。

ウィキ導入を検討している大学へのアドバイス

現在、ウィキの導入を検討している、大学関係者に向けて、「ある種の先輩ユーザー」としてアドバイスなどあればお聞かせください。

ウィキを導入する場合、「セキュリティ機能」と「バックアップ機能」に留意することをお勧めします。

まずセキュリティですが、大学のコンピュータ活用環境は、企業のそれに比べれば、相対的に自由な運用が許されているとはいえ、それでもゼミの内部という「閉じていることを前提とした、重要な情報が漏洩しないことが求められる系」の中で情報共有しようとするわけですから、セキュリティを軽視はしない方が良いと思います。

次にバックアップですが、もしウィキを使うのは1年限りというのなら、バックアップに気を遣う必要もないかもしれません。しかし、5年~10年の長期にわたりゼミの活動記録を取っていこうと考えているのなら、その間に、おそらく2回や3回は発生するハードディスク故障に備え、バックアップを万全にしておくべきだと考えます。各製品のバックアップ機能を調査するときは、「バックアップからの復元がどれほど簡単にできるか」に着目するのが良いと思います。

以上、商用ツールを使うにせよ、無料ツールを使うにせよ、ウィキを導入するなら「セキュリティとバックアップに留意すべき」と述べました。しかしこの際、端的に言えば、よほど覚悟があるのでないかぎり、商用ツールを使った方が良いと思います。商用ツールの方が、見た目も親しみやすく、セキュリティやバックアップなど後方支援機能も完備しています。また、商用ツールならばリックソフトなど販売代理店のサポートも期待できます。有償とはいっても、アカデミックライセンスなどもあり、それほど高価ということもありませんから。

今後の期待

Confluenceの今後の活用計画を教えてください。

将来的には、Confluenceを、ゼミ内の各種情報ツール、すなわちオープンジャーナル、グループウエア、メールなどの「ポータル」にしたいと考えています。Confluenceを起動すれば、すべての情報に一括でアクセスできるような形が理想です。

今回、Confluenceを導入したことで先端生命科学研究会の情報共有環境は大きく進化しました。リックソフトとアトラシアンには、優れた製品と充実したサポートを継続提供していただき、先端生命科学研究会の教育環境の改善を支援していただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

内藤様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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