サイバートラスト株式会社様|移行事例

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Confluence / Jira Service Management / Crowd移行事例
- サイバートラスト株式会社様

サイバートラスト株式会社

サーバー版のサポート終了に伴い
クラウド版へ移行
早期の着手で心理的な安全の獲得と
コスト削減に寄与


サイバートラスト株式会社


サイバートラスト株式会社商用電子認証局などの認証・セキュリティサービスや、Linux/OSSサービス、IoT事業を展開するサイバートラスト株式会社。同社では、ITサービス管理の「Jira Service Management」、ドキュメント共有の「Confluence」、ユーザーID管理の「Crowd」など、サーバー版のアトラシアン製品を利用していた。ところが、2024年2月のサーバー版サポート終了を受け、早めの移行に乗り出すことになり、移行先として版を選択。2021年8月にはクラウド版への移行が完了し、コスト削減と運用負荷の低減を実現した。移行プロジェクトの中心メンバーであるOSS・IoT事業部 IoT技術本部 クライアントサービス開発部の市川 正美氏と柴川 輝氏に、早期の移行に至った理由や移行プロセス、移行後の効果や使い勝手、他部署への波及効果などについて聞いた。

サイバートラストでは、日本初の商用電子認証局として20年以上にわたり認証・セキュリティサービスを提供するほか、国産Linuxディストリビューションが持つカーネル技術やOSSの知見を応用したオンプレミス、クラウド、組み込み領域向けのサービス、そしてこれらの技術を組み合わせたIoT事業などを展開。先端性と安全性を両立する技術によって顧客サービスの信頼性を支えている。

(取材対象者)
サイバートラスト株式会社 OSS・IoT事業部 IoT技術本部 クライアントサービス開発部 市川 正美氏
サイバートラスト株式会社 OSS・IoT事業部 IoT技術本部 クライアントサービス開発部 柴川 輝氏

背景・課題

早期対策によるコストメリットを享受すべく、クラウド版への早期の移行を決断

サイバートラストは、「信頼とともに」を経営理念に、ITインフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会の実現を目指しているセキュリティサービス事業者。日本初の商用電子認証局としてサーバー・クライアント証明書を提供するほか、Webセキュリティサービス、脆弱性診断サービス、本人確認・電子署名サービスなども提供。また、Linux OSである「MIRACLE LINUX」や総合監視ツール、OSS(オープンソースソフトウェア)を使った産業用システムの構築、IoT機器の開発・利用環境など、さまざまな事業を展開している。

同社のIoT事業部では、ITサービスマネジメントツール「Jira Service Management」、情報共有ツール「Confluence」、ID管理ツール「Crowd」など、サーバー版のアトラシアン製品を使っていた。しかし、アトラシアンが2024年2月にサーバー版製品の新規ライセンス販売と新規機能の開発を停止し、サポート終了を発表。これを受け、同社でも早急に対策を検討せざるを得ない状況になった。だが、すぐさまリックソフトからさまざまなサポートや案内があったため、クラウド版移行の決定は思いのほか早く進んだという。当時のリックソフトの対応について同社 OSS・IoT事業部 IoT技術本部 クライアントサービス開発部の市川正美氏は、以下のように振り返る。

「リックソフトからはサーバー版製品終了の発表後すぐに、製品移行相談センターの設置や無料移行診断の案内、ミーティングによる情報提供など、さまざまなサポートを受けていました。おかげで、コスト面や機能面、運用面など、クラウド版への移行によって得られるメリットを事前に把握できたことで、クラウド移行における意思決定がスムーズに進みました」(市川氏)

クラウド版を選択する前段階からリックソフトのサポートを受けていた同社だが、サポート終了まで3年ほどの猶予が残されている中で、なぜ早めの移行を決意したのだろうか。その理由について、同社 OSS・IoT事業部 IoT技術本部 クライアントサービス開発部の市川正美氏は以下のように語る。

「ライセンス費用も安くなり、さらにソフトウェアのバージョンアップなど、運用の手間も少なくなります。ゆくゆくはクラウド版への移行が必須になるため、なるべく早く問題を解消し、本来の業務に集中したいと考えていました。リックソフトはアトラシアン製品に対するノウハウや導入実績が豊富なため、手厚いサポートが受けられると考え、さっそく相談することにしました」(市川氏)

導入プロセス

移行のサポートをフル活用しクラウド版への迅速な移行を実現
丁寧な無料移行診断と優れた技術力を高く評価

サイバートラスト株式会社様 移行事例 図1

クラウド版への移行を進めるうえで、同社では顧客データの取り扱いに対する懸念を持っていた。具体的には、クラウド版には東京リージョンの用意がなく、ヨーロッパかアメリカのデータセンターに配備されているため、データを海外に置くことについて輸出規制への適合性を確認する必要があったのだ。また、移行自体の不安もあったことから、同社ではアトラシアンクラウドへの移行の相談としてリックソフトが独自で実施している無料移行診断を活用し、問題の解消に取り組んだ。

リックソフトの無料移行診断 では移行検討の前段階として2つの対応を行っている。それが「移行の簡易診断レポート」と「移行相談会」だ。アプリの利用や条件などに合わせて、PDFで大体15~20ページ前後の診断レポートを作成。それをもとに移行方法が適切かどうか、注意点やさらに最適な移行方法があるかなど、移行相談会にて検討し懸念点をクリアにした。

「保存データのサービス内部での取り扱いや管理権限をアトラシアンに確認してもらうなど、リックソフトの細やかな支援のおかげで移行前の不安を取り除くことができました。また、事前の無料移行診断を活用し、ディスカッションを重ねていくことで、クラウド版への具体的な移行イメージを持てるようになりました。2021年10月に移行完了予定でしたが、リックソフトの全面的な技術支援により、大きな問題もなく同年8月に移行が終了したため大変助かりました」(市川氏)

リックソフトとともに移行計画を実行したのは、同社 OSS・IoT事業部 IoT技術本部 クライアントサービス開発部の柴川輝氏だ。今回の移行プロジェクトでは、移行作業をリックソフトが行い、柴川氏は計画の伝達や準備と、移行後の受け入れ検収を担当した。

「同じアトラシアン製品とはいえ、サーバー版とクラウド版では異なる点もあります。たとえば、独自に設定しているHTMLや、利用しているアプリケーションが利用できないこともありました。加えて、クラウド版の仕様の概念や権限の設定など、私自身が製品についての機能を詳しく理解する必要がありました。これらの課題を解決すべく、サーバー版のころから契約しているリックソフトのサポートサービスを有効活用し、質疑応答を繰り返していくことでアトラシアン製品に対するノウハウや知識をためることができました。リックソフトの技術力はもちろん、質問に対するレスポンスも早かったため、そこも信頼感につながっています」(柴川氏)

導入効果

年間200万円のライセンスコスト削減とアップデート管理における運用負荷の軽減を実現
2段階認証の導入でセキュリティも向上

クラウド版への移行で得られた恩恵に、運用負荷の軽減がある。その効果について市川氏は以下のように説明する。

「たとえば、アトラシアン製品に脆弱性が発見されたとしたら、従来であればリックソフトにアップデートを依頼するなど、何かしらの対策を打たなければなりませんでした。ですが、クラウド版にすでに移行していれば、当社側でアップデート管理をする必要がなくなるため、運用負荷の軽減が実現します。常に最新バージョンを使えるため、安心感もあります」(市川氏)

ユーザーIDや認証の管理は、従来のCrowdから「Atlassian Access」に変わったことで、Confluence等の閲覧権限を柔軟に制御できるようになるなど、ユーザー権限の一括管理が可能になった。さらには社内ユーザー向けに二段階認証の適用できたことで、より一層のセキュリティ強化が実現した。また、アトラシアン製品を使ってサービスを提供する顧客に影響を与えずに移行できたことや、環境が変わっても不便に感じるほどのパフォーマンスの変化がないこともメリットになっている。加えて、当初期待していたコスト面でのメリットもあったという。

「試算ではありますが、年間のライセンス料金が単純計算で約200万円削減できました。また、従来はIoT事業部でアトラシアン製品を利用していましたが、OSS事業部へも利用を広げて更にコストメリットを得られることになりました 」(柴川氏)

今後の予定

OSS・IoT事業部での成功事例をもとに、アトラシアン製品のさらなる社内展開を目指す

サイバートラスト株式会社様 移行 図2

クラウド版への移行をきっかけに、今後、同社ではアトラシアン製品を社内的なサポートツールとして積極的に使っていきたいとしている。また、社内でアトラシアン製品に関する知見を広めていくとともに、製品導入の成功事例を作ることで、他部署へのさらなる横展開を目指しているとのこと。市川氏は今回の移行プロジェクトの成功ポイントについて以下のように振り返った。

「当社の場合はうまくいかないことがあったとしてもやり直せるように、移行後も2ヶ月程度は旧環境と並行して運用していました。このような安全策をとった移行を実現するためにも、なるべく早めに検討・計画をしたほうがいいと思います」(市川氏)

続けて柴川氏も、移行プロジェクトの成功の要因について以下のように語る。

「移行前にしっかり製品に慣れておいたほうがいいと感じました。私自身、アトラシアン製品の知識があまりなかったため移行前には不安がありましたが、リックソフトの丁寧なサポートにより、安心して移行が実現できたと感じています。サーバー版のサポート終了まで時間は限られていますので、心の準備をしておく意味でも早めの移行を強くお勧めします」(柴川氏)

本事例の内容は2021年12月取材時のものです。
本事例に記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。
本事例で紹介したコスト削減の効果については一例であり、コスト削減の効果を保証するものではありません。

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