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レガシーシステムとは?問題点と脱却への移行プロセスを解説

2023.08.31更新日:2026.03.02

DX推進が背景にある中、既存のレガシーシステムから脱却し新しいシステムへの移行(マイグレーション)を検討している企業が増えています。

本ページでは、レガシーシステムが抱えるリスクや新しいシステムとの連携方法について解説します。システム統合を支援するツールについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

レガシーシステムとは?問題点と脱却への移行プロセスを解説

レガシーシステムとは?

レガシーシステムとは?

レガシーシステムとは、現在主流でない技術や仕組み、言語を用いて過去に構築されたシステムのことを指します。具体的には1980年代以降多くの企業に導入された、メインフレームやそれを小型化したオフコン(オフィスコンピューター)で稼働するシステムなどが該当します。会社が40年以上ある企業は、企業規模にかかわらずレガシーシステムがあると認識してよいでしょう。

2026年現在、大半の企業が、顧客や社会のニーズに合わせた製品やサービス、ビジネスモデルを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。最先端技術はAPIなどを通じて既存のアプリケーション同士で連携でき、また自社用AIツールにもナレッジとして参照できるようになっていますが、レガシーシステムはクラウドとの連携やデータの活用といった現行技術への適応が難しいためDX推進の足かせとなっているのです。

そのため、企業はレガシーシステムの資産を活かしつつ、最新技術と適合するようシステム基盤を置き換えていくモダナイゼーションが求められています。

技術的・ビジネス観点から見たレガシーシステム

レガシーシステムは、COBOL言語のメインフレーム(汎用機)など、古い技術で構築されています。レガシーシステムの仕様書が紛失していた場合、システムの中身はブラックボックス状態。連携用のデータ抽出プログラムを追加するにも、その都度一定の調査コスト・テスト期間が必要になります。こういった技術的な制約により新しいシステムとの連携が困難で、ビジネスチャンスや業務効率化の機会を逃す可能性があります。

「2025年の崖」とレガシーシステムの関係性

経済産業省の「DXレポート」が警告した「2025年の崖」を終えた2026年現在、「崖を飛び越えた企業」と「底に沈む企業」の二極化が起きています。

崖を乗り越えた企業は2024年後半から来た生成AIウェーブの波に乗れています。一方、レガシーシステムから脱却できずにいる企業は、AI対応どころかサポート・保守期限が切れるシステムの対応で手いっぱいになっています。

レガシー言語を扱えるシニアエンジニアの退職が加速しており、保守コストも上がっています。企業のIT関連費用の8割がレガシーシステムの維持に使われるため、DX推進が進まない状況です。レガシーシステムの影響は経済損失や企業競争力に重大です。

代表的なレガシーシステムの事例

特に金融の基幹系では、レガシーシステムの更新が遅れ、セキュリティリスクや業務効率の低下が課題です。

製造の生産管理では、情報共有が不十分で生産計画の遅延を招きます。公共機関の業務システムでは、古い技術に依存し、迅速なサービス提供が困難です。

これらの課題は、顧客満足度の低下や競争力の喪失に直結しています。

レガシーシステムが抱える課題点

経済産業省が発表した「DXレポート」では、レガシーシステムの老朽化などの理由により日本では2025年以降年間最大12兆円の経済損失が発生する可能性があるとし、「2025年の崖」として警鐘をならしています。(※)

そもそもレガシーシステムの課題とはどのようなものがあるのでしょうか。

レガシーシステムが抱える課題:変容性が低い

IT技術の進歩に伴い新しいシステムが開発されても、レガシーシステムは古い技術を用いて構築されているため互換性が低く、新しい技術との連携が難しいケースが見受けられます。

AIの登場やテレワークの普及といった社会の変化に伴い、システムやワークフローも、業務内容の変更に合わせてアップデートを重ねていく必要があります。しかしレガシーシステムは仕様が古いため臨機応変にアップデートができず、職場環境に必要な要件を満たせないことが多いです。

このような場合、取引先のシステムと互換性がないなど、ビジネスの機会損失が発生するかもしれません。

レガシーシステムが抱える課題:システム維持・保守の人材確保が困難

レガシーシステムは数十年前に開発され、長期間にわたり仕様変更やアップデートを重ねているため、特定の人しかシステムの全容を把握していない属人的な状態になっている場合が多いです。システムを扱える人材の高齢化や定年退職が近い将来起こりうる企業は、深刻な問題を避けられません。

またレガシーシステムで稼働するアプリケーションは現在あまり使用されない古いプログラミング言語(例:1959年に開発されたCOBOL)によって構築されている場合が多いです。それらの言語を使用して開発を行うことのできる人材を確保するのが年々難しくなっている点も課題として挙げられます。

このような理由から、現行のレガシーシステムを維持していくことはますます困難になっていくでしょう。

レガシーシステムが抱える課題:セキュリティレベルが脆弱になりやすい

レガシーシステムで使用されているOSやソフトウェア、ハードウェアは近い将来ベンダーのサポートが打ち切られたり、あるいはすでにサポート期限が終了していたりすることも考えられます。

その場合セキュリティ上必要なアップデートを適用できず、サイバー攻撃によるデータの漏洩などセキュリティリスクを抱えることになります。またシステムを運用できる人材が減っていくと、システムの破損を恐れ、アップデートが利用できても適用しないなどの事例に繋がる可能性があるため注意が必要です。

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レガシーシステムが抱える課題:保守運用のコストが高い

レガシーシステムのメーカーのサポート期限が終了している場合、システムを保守していくためにはサービスを提供しているベンダーと高額の契約を結ばなくてはなりません。システムにトラブルが発生した際は原因調査や修復のために人手やコストがかかることになります。

経済産業省の「DXレポート」によると、国内企業のIT関連費用の8割は現行ビジネスやシステムの維持費に割り当てられているというデータもあり、IT関連予算を新しい技術の採用や成長に向けたDX推進に振り分けられていないことがうかがえます。(※)

レガシーシステムのモダナイゼーションを成功に導く2つの方法

ここまで見てきたようにレガシーシステムを放置しておくと、近い将来さまざまな課題点が浮き彫りになってくることが予想されます。

人材不足やコストの問題でレガシーシステムを全面的に変更・解体するのが難しい場合は、新しいシステムと連携させることが望ましいです。代表的な2つの方法を解説します。

APIを開発してレガシーシステムと連携させる

APIを開発してレガシーシステムと連携させる

API(Application Programming Interface)を活用した連携は、モダナイゼーションの選択肢の一つとして非常に重要です。特に、レガシーシステムの機能を外部の最新システムと統合することで、既存の資産を最大限に活用しつつ、柔軟性と拡張性を持たせることが可能になります。

モダナイゼーション手法にはその他、リファクタリング(既存のコードを改善し、可読性や保守性を向上させるプロセス)やリプレースメント(新しいシステムへの置き換え)といった方法は、システム全体を見直し、大規模な変更を伴うことが多いです。一方、APIを通じた連携は、部分的な変更で済むため、コストやリスクを抑えることができます。

金融機関が古い顧客管理システムを持っている場合、新しいデジタルバンキングアプリとAPIを通じて連携することで、顧客情報をリアルタイムで更新し、利便性を向上させることができます。このように、APIを利用した連携は、システムのモダナイゼーションにおいて、効率的で効果的な手段となります。

API連携のメリットと導入ステップ

段階的マイグレーションにより、既存資産を活用しながらコスト削減が可能です。導入ステップは、要件定義でニーズを明確にし、設計でシステム構造を決定、開発で実装、テストで品質確認、運用で実際の運用を開始します。

成功事例と注意すべきポイント

レガシーシステムのAPI連携成功事例として、「金融機関の顧客管理システムとデジタルバンキングアプリの統合」、「製造業の生 産管理システムとクラウドサービスの連携」が挙げられます。

運用にあたり、セキュリティ対策の強化、パフォーマンスの監視、保守性を考慮した設計が重要です。

SaaSやiPaaSを活用してレガシーシステムと連携させる

レガシーシステムをSaaSやiPaaSと連携させる最大の利点は、レガシーを「SoR(安定)」、SaaSを「SoE(俊敏)」と役割分担できることです。
レガシーシステムにある既存資産を活かしつつ、データのAPI開放を安価かつ迅速に実現できます。

反面、連携の複雑化による「モダン・レガシー化」や、ネットワーク遅延のリスクを伴います。

選定ポイントは、レガシー特有のプロトコル(固定長、DB直接接続等)に対応するコネクタの有無と、オンプレミス環境に置くエージェントのセキュリティが最重要です。

導入には、(1)現状資産の可視化、(2)小規模なデータ同期でのPoC、(3)本格的なデータクレンジングと変換ロジックの実装、の順で進め、運用監視体制を構築します。

SaaS・iPaaSによる連携メリット

連携メリット
導入スピード「作る」から「つなぐ」への転換。従来、数ヶ月要したスクラッチ開発による連携が、標準コネクタを活用することで数日〜数週間のノーコード設定で完了します。
コスト効率初期投資(CAPEX)の抑制。自前で中継サーバーを構築・保守する必要がなく、サブスクリプション型でスモールスタートが可能です。開発・運用工数を大幅に削減できます。
スケーラビリティビジネスの拡大や新しいSaaSの追加に対し、インフラの増強を意識せず柔軟に拡張可能です。APIのアップデートもiPaaS側が吸収します。

導入時の検討事項とポイント

レガシーシステムとSaaS連携では、「疎結合の維持」が成否を分けます。

<検討事項>

  • セキュリティ : エージェント経由の暗号化通信で、社内網を露出させない設計が必須。
  • ロックイン : 特定ツール独自の作り込みを避け、標準APIを活用し汎用性を保つ。
  • カスタマイズ : SaaSの更新がレガシーに波及しないよう、iPaaSで差異を吸収する。

<成功のポイント>

  • 最初から大規模の変革に挑むのではなく、スモールスタート。(データの更新ではなく、レガシーシステムにあるデータを参照するなど)
  • データのマスターを明確にする
  • 異常検知と再試行(リトライ)の自動化。

レガシーシステムの資産を活かしつつDXを進める手法として、SaaSやiPaaSの活用が挙げられます。

SaaS(Software as a Service)とはソフトウェアの機能を提供するクラウドサービスとしてです。共有カレンダーから、給与管理・勤怠システム、プロジェクト管理ツール、グループウェアなどさまざまなSaaSを導入済みの企業が多いと思います。

iPaaS(integration Platform as a Service)とはクラウド上やオンプレミス(自社内)など複数の環境にあるシステムやアプリケーションを連携させ統合された運用を可能にすることで、クラウドサービススイートなどとも呼ばれます。

SaaSやiPaaSはサービスがインターネット上にあるので、パソコン、モバイル端末などクライアント側の形態を問わず接続が可能になります。これによりテレワークでも業務を行えるようになるのがメリットの一つです。またシステムがクラウド上に存在し常時アップデートされるため、メインフレームのような古いハードウェアの保守業務からも解放されるでしょう。

SaaSやiPaaSのようなクラウド上のサービスであれば、最新の技術で開発されたソフトウェアを容易に利用することができ、自前でサーバーなどのハードウェアを用意する必要がないため初期費用を抑えることが可能です。iPaaSはさまざまな定型業務の自動化機能が備わっており、短時間でレガシーシステムと統合することができます。

レガシーシステムのデータを活用しつつこれらのサービスを利用する場合は、クラウドとオンプレミスの両方に対応し同期ができるものを選ぶことがポイントとなります。

ノーコード・ローコードでシステム連携を行える 「Workato(ワーカート)」

ここまでレガシーシステムの課題と、新しいシステムと連携させる際のポイントについて見てきました。効率的なシステム統合を実現するには、自社の環境に適したツールを選択するのが良いでしょう。そこでおすすめするのが「Workato」です。「Workato」はiPaaSとして次のような特長を持ち、レガシーシステムとクラウドの連携や業務自動化を実現します。

  • 1000種類以上のアプリケーションとの連携が可能
  • 直感的なUI/UXとノーコード・ローコードでビジネスの自動化ができる
  • オンプレミスにもクラウドにも対応し、レガシーシステムと現在使用しているシステムを接続
  • 豊富な「レシピ」と呼ばれるテンプレートにより自動化を実現
  • 権限コントロールと管理者によるユーザー統制

Workatoの主な機能と特徴

Workatoは、SaaS同士・そしてレガシーシステムと接続する「エンタープライズiPaaS」です。

  • 機能: ノーコードで自動化する「レシピ」、セキュアに社内網と繋ぐ「OPG(On-Premiss Group)」、そしてAIエージェント「Genies」が中核です。
  • AIエージェント・プラットフォーム「Workato GO」により自然言語で指示でき、AIが自律的にシステム操作を完結させる「Deep Action™」が最大の特徴です。
  • 強み: プログラミング言語の知見がない非エンジニア層でも使いやすくと、AIが「検索だけでなく実行まで担う」実用性の高 さにあります。

レガシーシステム連携におけるWorkatoの活用メリット

レガシーシステムとWorkatoを連携する最大の利点は、「既存資産を壊さずモダナイゼーションが実現できる」点です。専門知識不要: GUIでのレシピ作成により、COBOL等の古い言語や複雑なSQLの知識がなくても現場主導で連携を構築・修正できます。

保守性向上: 連携ログの一元管理とエラーの自動リトライ機能により、運用の属人化を防ぎます。

導入事例と成果

Workatoを導入してレガシーシステムとSaaS連携でWorkatoを導入した事例を紹介します。

企業・業界名導入前導入後の成果・ROI
アイダ設計(ハウスメーカー)
事例を読む
レガシーERPへの手入力や他システムへの転記が月1,200件発生。月間60時間の工数削減。夜間バッチによるデータ連携の自動化と内製化を実現。
大手製造業A社国外拠点を含む複数のレガシーERPが乱立し、データの集計に数日を要した。データ反映をリアルタイム化。受注処理工数を80%削減し、在庫の可視化を達成。
ITサービス企業B複数の部門でバラバラにSaaSを導入したため、情報がサイロ化。各ツールのマスタ不整合と管理工数が増大。AIエージェント活用で月500時間の削減。入退社時のアカウント発行を完全自 動化。

クラウド環境とレガシーシステムとのデータ連携をお考えの際は、ぜひ「Workato」の導入支援を行っているRicksoftへご相談ください。

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